AI規制で綱引き、世界経済の先行きに楽観と警戒 今年のダボス会議

有料記事

ダボス=寺西和男 宮地ゆう
[PR]

 世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)が1月15~19日、スイスの保養地ダボスで開かれた。世界の政財界の首脳らが国際的な課題について話し合う場で、今年は約3千人が集まった。どんな議論が行われたのか。

 今年の会議で大きな注目を集めたテーマがAI(人工知能)だ。

 特に対話型AI「ChatGPTチャットGPT)」を運営するオープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)が登壇した講演では、1千人以上入る会場がほぼ満席になった。

 アルトマン氏は、多くの人がチャットGPTを積極的に活用しようとしている一方、新しい技術への懸念も多いことに触れ、慎重に言葉を選んだ。「人が自分の考えを他人に対して説明するように、AIが思考の過程を自然言語で説明できるようになれば、その判断の是非を人間が評価できるようになる」との観測も語った。

 AIを活用しつつ、どう統制するのかについては、国や地域によって考え方に溝がある。関連する講演の中では、ルール作りの綱引きが垣間見える場面もあった。

 中国の李強(リーチアン)首…

この記事は有料記事です。残り3428文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
寺西和男
ベルリン支局長
専門・関心分野
欧州の政治経済、金融、格差、ポピュリズム
宮地ゆう
編集委員
専門・関心分野
IT、プライバシー、戦争、家族