糖尿病など患者負担軽減も、医療費増の構造のまま 無駄を省く努力を

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聞き手・吉備彩日
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 新年度診療報酬改定の内容が14日示された。医療従事者の賃上げを柱としているが、識者はどう見ているのか。中央社会保険医療協議会の元公益委員の印南一路(いんなみいちろ)・慶応大教授(医療福祉政策)に聞いた。

 今回の改定は、医療側は賃上げできるように、前回改定の倍にあたる本体0・88%の上げ幅を確保した。一方で支払い側は、薬価の引き下げ分も含めると全体の改定率はマイナスとなり、医療費を抑えることができた。「特定疾患療養管理料」の対象から糖尿病高血圧脂質異常症の3疾病を除外できたことが大きかった。

 初・再診料などの引き上げは医療機関の増収につながるが、それを医療従事者にどのように分配するかは、経営者次第だ。期待はするが、今後の物価の動向など不確定な要素も多く絡み、実際にどれほど医療従事者に還元されるかを注視していく必要がある。

国は賃金センサスなどで賃上げの確認を

 国は実際にどれだけ賃金を上…

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この記事を書いた人
吉備彩日
くらし報道部|社会保障担当
専門・関心分野
社会保障、医療、共生社会