患者への処方はスマホアプリ 生活習慣変え治療に活用 医療費抑制も

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神宮司実玲
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 患者に処方されるのは、スマホアプリ――。生活習慣病などの治療でこんな動きが進んでいる。公的医療保険の対象となっているアプリもあり、生活習慣の見直しや、治療の効果をさらに高めることが期待されている。

 「血圧の数値、落ち着いていますね」

 「野菜を食べるように意識しています」

 埼玉県川口市の「かわぐちミエルカクリニック」。高血圧で通院する同市内の女性(62)と主治医の山川貴史院長が、女性のスマートフォンの画面を見ながら、アプリで毎日記録された血圧の値を確認していた。

 女性は以前から、血圧を下げる薬を飲んでいた。治療の効果をさらに高めるため、高血圧治療のためのスマホ用アプリを処方された。

 アプリを使った半年間は、血圧は下がった。いまも血圧を保ちながら、このアプリの一部の記録を引き継いだ別のアプリ(無料)を使っている。

 処方された治療アプリでは、患者は毎日朝と夜の2回、自分で血圧を測って記録する。食事の内容や運動量も入力でき、その人に合った生活習慣の改善方法をアプリが提案してくれる。アプリ上のキャラクターを通じ高血圧に関する知識を学んだり、減塩するための助言を受けたりできる。

 女性は毎朝、通勤電車でアプリの助言や血圧の推移を確認した。「一日トータル、両手のひらいっぱいの野菜を食べる」というアドバイスを意識して、苦手な野菜を食べるようにした。「記録をつけたりアドバイスを受けたりすることで、血圧の上がり下がりの要因を自分でも振り返るようになった」と女性は話す。

 この治療アプリはベンチャー…

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