第3回エリート大統領に共感できない国民 識者が解く「嫌悪」のメカニズム
6月30日に実施されたフランス国民議会(下院、定数577)の第1回投票では、極右の流れをくむ右翼政党「国民連合(RN)」がトップに立ち、マクロン大統領率いる与党連合は3番手に沈んで大敗の危機にあります。この連載の1回目、2回目では、「なぜマクロン氏が嫌われたのか」を探りました。では、マクロン氏への「嫌悪」の本質とは何なのか。そのメカニズムを調べる仏国立科学研究センター(CNRS)のアラン・フォール研究部長(政治学)に、話を聞きました。
【連載】嫌われたエリート なぜ大統領は追い込まれたか
欧州議会選の敗北を受け、マクロン大統領は総選挙という「賭け」に出た。だが、6月30日の第1回投票での劣勢は変わらず、市民の支持は得られなかった。フランス史上最年少で大統領となったマクロン氏はなぜ、ここまで嫌われ、そして追い込まれたのか。
――マクロン氏が再選を果たした2022年の大統領選の直前、仏メディアに「なぜ人々はエマニュエル・マクロンを憎みたがるのか」という寄稿をしました。マクロン氏の不人気をどう分析していますか。
マクロン氏に対する「嫌悪のメカニズム」には三つの要素があります。
一つ目は、誰も彼に自分を投…
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