第3回エリート大統領に共感できない国民 識者が解く「嫌悪」のメカニズム

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 6月30日に実施されたフランス国民議会(下院、定数577)の第1回投票では、極右の流れをくむ右翼政党「国民連合(RN)」がトップに立ち、マクロン大統領率いる与党連合は3番手に沈んで大敗の危機にあります。この連載の1回目、2回目では、「なぜマクロン氏が嫌われたのか」を探りました。では、マクロン氏への「嫌悪」の本質とは何なのか。そのメカニズムを調べる仏国立科学研究センター(CNRS)のアラン・フォール研究部長(政治学)に、話を聞きました。

【連載】嫌われたエリート なぜ大統領は追い込まれたか

 欧州議会選の敗北を受け、マクロン大統領は総選挙という「賭け」に出た。だが、6月30日の第1回投票での劣勢は変わらず、市民の支持は得られなかった。フランス史上最年少で大統領となったマクロン氏はなぜ、ここまで嫌われ、そして追い込まれたのか。

 ――マクロン氏が再選を果たした2022年の大統領選の直前、仏メディアに「なぜ人々はエマニュエル・マクロンを憎みたがるのか」という寄稿をしました。マクロン氏の不人気をどう分析していますか。

 マクロン氏に対する「嫌悪のメカニズム」には三つの要素があります。

 一つ目は、誰も彼に自分を投…

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この記事を書いた人
宋光祐
パリ支局長
専門・関心分野
人権、多様性、格差、平和、外交
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    長島美紀
    (SDGsジャパン 理事)
    2024年7月3日23時21分 投稿
    【視点】

    なぜエリートは嫌われるのか。 その問いに対しては「エリートだから」としか答えようのない気もしますが、もう少し踏み込むと、マクロン大統領自身が幾重に身にまとっていた「特権」に気づけなかったことがあるように感じます。 先日大学でジェンダーにつ

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    小熊英二
    (歴史社会学者)
    2024年7月4日9時25分 投稿
    【視点】

    半世紀前なら「彼は私たちとは違う」は大統領にふさわしい資質だった。フランスですら、今はそういう時代ではないということか。 あるいは、マクロンも(結果的には)「使い捨てのポピュリスト」として押し上げられただけだったということか。 どちらに

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