夜間のタクシー足りてる? 舞鶴市が配車の増加分に支援
コロナ禍後、地方都市では、夜間の足の確保が悩みだ。京都府舞鶴市は今月から、タクシー会社に夜間の増車台数に応じて、貸し切り相当の金額を支援する事業を始めた。隣接する綾部市、宮津市も、すでに取り組んでいる。
「深夜にタクシーがつかまらない」。舞鶴市企画政策課によると、昨年ごろから、こんな不満が寄せられるようになった。飲食店からも「客の配車が確保できない」との声があるという。
舞鶴には、市町村合併のなごりから、東と西に中心市街地がある。その間には五老ケ岳(標高301メートル)があり、徒歩での行き来は厳しい。
東西の中心市街地を公共交通機関で移動する場合、路線バスの東西循環線は平日でもほとんど午後8時台で終了。JR舞鶴線の東舞鶴、西舞鶴両駅を利用しても、東から西への普通列車は10時台が最終。西から東は11時台に1本あるが、10時台は特急のみだ。
このため、市は市内のタクシー2事業者を対象に、金、土曜と祝日の前日の午後10時から午前0時までに、以前より配車を増車した場合、1台1時間当たり、5200円を支援することにした。10時台は計20台、11時台は19台だった今年3月の同時期の平均に比べ、5台程度増える見通しという。12月まで続ける。
先行する綾部市は、2022年4~8月と10月中旬~23年3月、23年8月~24年3月の3度で延べ1446台を支援した。時期が3度にわたったのは「コロナ禍からの回復が見込めなかったため、間をあけて実施した」(市民協働課)という。
宮津市も22年8月下旬~23年3月中旬に延べ80台を支援。「にぎわい回復への呼び水にはなったのでは」(企画課)という。両市は新型コロナウイルス対応の地方創生臨時交付金を充てた。
一方、3市でタクシー事業を展開する日本交通によると、コロナ禍や高齢化で離職するドライバーがいる中、配車は、高齢者ら幅広い層が利用する日中を手厚くしているという。「夜のにぎわいはコロナ禍前に比べるとまだ戻っていない」とみる。
舞鶴市の担当者は「今回の支援事業で、夜間のタクシーが足りているのかどうかを調べ、来年に向けてのにぎわいづくりの方策の検討材料にしたい」と話す。
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