柔道男子81キロ級の決勝で、世界選手権3連覇中のタト・グリガラシビリ(ジョージア)がやれることは、すべてやった。
担ごうとしたり、捨て身技を仕掛けたり、奥襟をもって相手を潰そうとしたり。だが、永瀬貴規(30)=旭化成=の手のひらの上で踊らされているようだった。
永瀬はすべての仕掛けを受け流すと、1分52秒、グリガラシビリが背中を取りにきたところを谷落としで合わせ、技あり。2分48秒、強引に頭を押さえつけに来たところを、再び谷落としで一本を奪った。
付け入る隙がない内容で、連覇。「まだ信じきれていないが、ここまでやってきて、間違っていなかった」。そう声をはずませたのは、3年間の苦境があったからだろう。
手足が長く、懐が深い。相手…
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