【詳報】広島原爆投下79年 「あやまち繰り返さぬ」犠牲者悼む灯籠

社会タイムライン

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 広島は6日、米国による原爆投下から79年を迎えました。ロシアによるウクライナ侵攻、イスラエルパレスチナ情勢など核が使われる懸念が世界に影を落としているなか、平和を願い、鎮魂の祈りを捧げる人びとの動きを詳報します。

連載「Youth&Peace ヒバク80年へ」

被爆者の願いを受け継ぎ、行動する若者たち。時に揶揄され、壁にぶつかり、それでも歩み続けるには――。「リアル」な姿から考えます。

■■■8月6日■■■

【動画】元安川で行われたとうろう流し=8月6日午後7時50分ごろ、広島市中区、佐藤慈子撮影

18:00

灯籠流し「二度と戦争おこさないで」

 原爆ドーム広島市中区)前を流れる元安川で、原爆犠牲者を悼み、平和を祈る灯籠(とうろう)流しがあった。被爆した人々が水を求めて飛び込んだという川面には色鮮やかな灯籠が浮かべられ、市民らが書き込んだ「あやまちを二度とくりかえさないように」などの言葉が明かりに照らされ、静かに流れていった。

 茨城県ひたちなか市の菊一可南(かな)さん(42)は「子どもたちに戦争のことを知っておいてほしい」と考え、3人の子どもたちをつれて広島を訪れた。灯籠には、兄、妹、弟の3人で「二度と戦争をおこさないでほしい」と書いた。長男の空牙(くうが)さん(15)は「自分が平和な時代に生きていて良かった」と話した。

18:00

英大使「長崎の式典には出席しない」

 英国のジュリア・ロングボトム駐日大使が広島市内で記者団の取材に応じ、9日に長崎市で開かれる平和祈念式典には出席しない意向を示した。

 ロングボトム大使は「長崎の式典には出席しません」と言明。長崎市が、ウクライナへの侵攻を続けるロシアやベラルーシとともに、式典にイスラエルを招待しなかったことを理由に挙げた。

 大使は「ウクライナという独立国に侵略したロシア・ベラルーシと違い、イスラエルは自衛権を行使している。同様の扱いをしては誤解を招く」との考えを示した。

14:40

23歳の若者「被爆者と若い世代、つなぎたい」

 広島市内で開かれた平和集会に、一橋大大学院生の佐藤優さん(23)が登壇した。

 今春まで広島市立大で4年間学んだ佐藤さんは、被爆者の体験を子どもに伝える紙芝居作りなどに取り組み、東京に移ってからも、被爆者の証言を若い世代が聞くオンラインの集いを開いている。佐藤さんは「体験者が語ってくれた記憶は、受け取った人がつないでいかないと消えてしまう。これからも被爆者の体験を共有し、つないでいく活動をしたい」と語った。

14:30

「平和学長会議」初開催 世界の10大学から参加

 初開催となる「平和学長会議」が広島市中区の広島大学東千田キャンパスで始まった。被爆地・広島に開学した「平和の大学」として開催を呼びかけた広島大をはじめ、米国、台湾、イタリアインドネシア、インド、スウェーデンから計10大学、22人が参加。広島大の越智光夫学長はあいさつで「平和と持続可能性を推進するための未来のリーダーを育てる必要がある」などと述べた。

 会議の最後には、「平和教育を推進するイニシアチブを支持する」などとする平和学長宣言を採択する。

14:30

インドの議会で議員ら黙禱 原爆被害者を悼む

 核兵器を保有するインドの議会で6日、広島や長崎に投下された原爆の被害者を追悼するために、議員が黙禱(もくとう)を捧げた。

 黙禱は、日印両国の友好などを深めるため、1985年から毎年のように実施されている。

 この日は、ビルラ下院議長が「大量破壊兵器のない世界にするという、我々の誓いを改めて表明する機会になる」と述べた後、集まった下院議員らが起立し、祈りを捧げた。

14:00

市民団体がシンポ開催 「世界の核被害と連帯するために」

 市民団体「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」(HANWA)が広島市内でシンポジウム「世界の核被害と連帯するために」を開催。HANWA共同代表の森滝春子さんらが基調講演した。

 HANWAは来年に「世界核被害者フォーラム」の広島開催を目指している。オンラインで参加したニューヨーク在住の弁護士・井上まりさんが、アメリカも核兵器禁止条約に加わるよう現地で訴えている活動などを紹介。森滝さんは「同じ方向で活動している人たちに支えられる思い」と述べた。

13:00

北海道被爆者協会 最後の追悼会

 札幌市でも6日午後1時から、原爆死没者北海道追悼会が開かれた。来春で解散する予定の北海道被爆者協会が主催した。

 2024年3月末、全国で被爆者健康手帳を持つ人の平均年齢は85・58歳になった。道被爆者協会のメンバーも同様に高齢化が進み、25年3月末での解散を決めた。日本被団協によると、都道府県組織がなくなるのは12カ所目という。

 道被爆者協会の会長・広田凱則(よしのり)さん(86)は7歳のとき、長崎で被爆した。追悼会で、「核兵器の非人道性は明らか。少なくなった被爆者だが、いま一度、核兵器をなくすため『ノーモア・ヒバクシャ』と声を大きくしたい」と訴えた。

12:30

高校生が描いた「原爆の絵」 色づくと「記憶もはっきり」

 広島市中区の広島国際会議場で、同市立基町高校の生徒が被爆の証言をもとに描いた絵の解説をするギャラリートークがあった。同校は2007年から毎年、「原爆の絵」を制作している。

 会場では生徒4人が、自分の作品について、制作の経緯などを語った。爆心地から離れた場所で、黒い雨を浴びてはしゃぐ子どもたちの様子を描いた持田杏樹さん(3年)は「何度も打ち合わせをし、絵に色がつくにしたがって、証言者の記憶もはっきりしてきた」と振り返る。「この絵を描いたことで、原爆の影響は8月6日だけのものではなく、現在まで続いていることを実感した。この絵が今も続く被害を考えるきっかけになれば」と話した。

 7月に完成した16点を含む約60点が、今月10~28日に同会議場で展示される。一部の絵に添えられたQRコードをスマートフォンで読み取ると、題材となった証言者の話が聞ける。

【動画】証言を元に描かれた「原爆の絵」=8月6日、広島市、佐藤慈子撮影

11:00

97歳が証言「皮膚が垂れ下がりました」

 被爆者運動に初期から関わってきた阿部静子さん(97)が、広島市中区の市国際青年会館(JMSアステールプラザ)で被爆証言をした。阿部さんは爆心地から約1.5キロの広島市平塚町(現・中区)で建物疎開の作業中に被爆。顔や腕など右半身にやけどを負った。「皮膚が手の先から垂れ下がりました」

 やけどはケロイドとなった。口元はひきつり、右手の指は反った状態で固まり、日常生活も不自由になった。差別にも苦しんだが、夫の支えを受け、海田町原爆被害者の会の設立に関わるなど被爆者運動に携わった。

 阿部さんは「核兵器は絶対に使ってはいけない兵器です。使わないなら廃絶するしかありません。被爆者の切なる願いです」と語った。

10:50

立憲・泉代表「政権とれば核禁条約会議に必ず参加」

 立憲民主党泉健太代表は、日本政府が核兵器禁止条約の締約国会議にオブザーバーとしても参加していないことについて「残念で、評価できない」と述べた。広島市の平和記念公園で開かれた平和記念式典に出席後、記者団の取材に語った。

 泉氏は、立憲が政権をとった場合、「オブザーバー参加は必ずする。被爆国である我が国が参加しない理由はない。核兵器禁止を呼びかける国々との連帯を図っていくのは当然のことだ」と強調した。

10:40

岸田首相会見 「核兵器国動かさないと現実変わらない」

 岸田文雄首相は式典後の記者会見で「核兵器国を具体的に巻き込み動かしていかなければ、現実は変わらない」と語った。日本が核兵器禁止条約に参加せず、「核の傘」を含む米国の戦力で日本への攻撃を思いとどまらせる「拡大抑止」を強化していることについては「米国も日本も、それぞれのリーダーが核兵器のない世界を目指すということを確認している。核兵器のない世界に向けて、こうした信頼関係は土台になる」と述べた。

09:40

被爆者団体が首相と面会 条約批准から「逃げとる」と批判

 平和記念式典の終了後、岸田文雄首相は広島市内のホテルで、被爆者団体代表らと面会した。

 被爆者らは、来年3月に開かれる核兵器禁止条約の第3回締約国会議にオブザーバー参加するよう求めた。首相は「核兵器国を動かさないと現実は変えられない」として、核兵器増加への歯止めが期待される核兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)などに取り組む考えを示した。

 面会終了後、広島県原爆被害者団体協議会(県被団協)の箕牧智之理事長(82)は「(条約批准から)首相は逃げとる。被爆国なのに、アメリカの顔色をうかがっとる」と批判。もう一つの県被団協の佐久間邦彦理事長(79)は「前に進んでいない。首相の言っていることはきれいごとと感じる。今後も世論を高めていきたい」と話した。

08:47

国連事務総長「核兵器の脅威なくす唯一の道は核廃絶」

 アントニオ・グテーレス国連事務総長のあいさつを軍縮担当上級代表の中満泉事務次長が代読した。「核兵器の使用と威嚇は歴史の教科書上だけの話ではない。現実の国際関係において、日常的なレトリックとして再び姿を現している。広島の教訓が、今や隅に追いやられつつある」と危機感を示した。その上で、「核兵器の脅威をなくす唯一の道は、核兵器の完全な廃絶である」と訴えた。

08:40

広島知事「『過ちは繰り返しませぬから』今一度思い起こすべき」

 広島県の湯崎英彦知事があいさつした。「人類が発明してかつて使われなかった兵器はない。核兵器も、それが存在する限り必ずいつか使われる」と指摘し、「核廃絶は遠くに掲げる理想ではない。今、必死に取り組まなければならない、人類存続に関わる差し迫った現実の問題だ」と訴えた。

 「人類が核兵器の存在を漫然と黙認したまま、被爆者を一人、また一人と失っていくことに、私は耐えられない。『過ちは繰り返しませぬから』という誓いを、私たちは今一度思い起こすべきだ」とあいさつを締めくくった。

08:33

核軍縮巡る情勢は厳しさ増す」岸田首相あいさつ

 平和記念式典で、広島選出の岸田文雄首相が3年連続であいさつに立った。「核軍縮を巡る情勢は一層厳しさを増している。世界は核兵器の減少傾向が逆転しかねない瀬戸際に立っている」と指摘し、「核兵器のない世界と恒久平和の実現に向けて力を尽くす」と述べた。一方、核兵器禁止条約には触れなかった。

08:25

「私たちにできる平和の一歩」 こども代表が平和への誓い

 広島市の小学6年生2人が「平和への誓い」を読み上げた。

 石丸優斗さんは、被爆体験を語ろうとしなかった自身の曽祖母の気持ちに思いをはせた。「言葉にすることさえつらく悲しい記憶は、79年経った今でも多くの被爆者を苦しめ続けています」

 加藤晶さんは、世界で戦争が続いている現状を念頭に、「私たちにもできる平和への一歩」として、相手の話を聞くことや、違いを良さと捉えて自分の考えを見直すこと、仲間と協力し一つのことを成し遂げることを挙げた。

08:20

「対話をすれば、危機的状況を打破できる」 広島市長が平和宣言

 広島市の松井一実市長が平和宣言を述べた。宣言では、米・レーガン元大統領との対話で冷戦の終結を方向づけた旧ソ連ゴルバチョフ元大統領の「われわれには平和が必要だ」という言葉を引用。為政者が断固とした決意で対話をすれば、危機的状況を打破できることを示す、と訴えた。

 日本政府には来年3月の核兵器禁止条約第3回締約国会議へのオブザーバー参加を求め、早期に締約国となるよう要望した。

08:15

広陵野球部員ら、甲子園のスタンドで黙禱

 第106回全国高校野球選手権大会に広島代表として出場する広陵の野球部員らが、阪神甲子園球場兵庫県西宮市)のスタンドで黙禱(もくとう)した。7日にある開会式のリハーサル直前で、補助員の部員と監督らが広島の方向を向いて、目を閉じた。

 広島県坂町出身の河手音和(かわでとわ)選手(3年)は、小学校の頃から平和記念公園を訪れるなどして、原爆投下の歴史に触れてきた。「この日になると、平和に野球が出来るありがたみを改めて認識します」。中井哲之監督は「毎年、練習やグラウンド整備の途中でも、野球部員で黙禱する。みんな、この日が大切な日というのは分かってくれている」と話した。

08:15

祖父が被爆者の男性「子どもに見せたかった」

 79年前に原爆が広島に投下された午前8時15分、平和記念式典の開かれている平和記念公園周辺では黙禱(もくとう)する人々の姿があった。原爆ドームに手を合わせた広島市の染井大輔さん(35)は、祖父が被爆者。妻と、長男(2)をつれてこの日、平和記念公園を訪れた。「子どもに見せたかったんです」と話した。

【動画】8時15分の鐘にあわせて「原爆の子の像」の前で黙禱する中学、高校生ら=中野晃撮影

08:15

原爆の子」の像の前 中高生ら黙祷

 午前8時15分、広島市の平和記念公園にある「原爆の子」の像の前で、広島県立安芸府中高校や同県府中町内の中学生らが鐘の音にあわせて黙禱(もくとう)した。同高では、「原爆の子の像」のモデルとなった佐々木禎子さんについての紙芝居を、日本語と英語で観光客らの前で読む活動を続けている。

 1年生でネパール出身のマハルザン・イヴァさんは「戦争と原爆でたくさんの人がひどい死に方をしたと学びました。安らかに眠って下さいと祈りました」と話した。

08:15

原爆投下時刻に参列者らが黙禱

 平和記念式典で、原爆投下時刻の午前8時15分、参列者らが1分間の黙禱(もくとう)を捧げた。

08:00

記念式典始まる 死没者名簿を奉納

 広島市中区の平和記念公園で、平和記念式典が始まった。原爆死没者名簿が慰霊碑に奉納された。

07:00

平和への思い、高校生に託す

 広島市の平和記念公園内の国際会議場では、広島県原爆被害者団体協議会の箕牧(みまき)智之理事長(82)が、月内に平和交流のためハワイ・ホノルルへ派遣される高校生らに、「ハワイへ届けてほしい」と銅板でつくった折り鶴を託した。

 高校生らは、広島市が米国・パールハーバー国立記念公園と結んだ姉妹公園協定に基づき、パールハーバー国立記念公園などを見学する予定。託された一人、広島叡智学園3年の岡田彩花さん(18)は「銅製だけに、末永い平和を象徴していると思う。ハワイでは被爆の実相を伝え、自分たちもパールハーバーで何があったのか学ぶ機会にしたい」と話した。

05:00

原爆供養塔に祈り「安らかに」

 空が白んで来たころ、平和記念公園内の原爆供養塔に手を合わせる女性がいた。近くに住む上田洋子さん(76)。子どものころから毎年8月6日の早朝にここを訪れている。

 原爆供養塔には、身元がわからなかったり、引き取り手がなかったりした約7万柱の遺骨が収められている。被爆者だった母・英子さんから、祖母の遺骨は見つからないままで、供養塔に眠っているのだと教えられた。

 「安らかに眠ってください。家族を守ってください」と祈りを捧げた。

05:00

原爆ドーム前で座り込み、怒号飛び交う

 米軍の原爆投下から79年となる「原爆の日」を迎えた広島市の原爆ドーム前では6日、抗議活動があり、現場は早朝から騒然とした。平和記念式典の入場規制範囲を広げたことに、一部の市民団体のメンバーらが反発した。

 市民団体「8・6ヒロシマ大行動実行委員会」のメンバーらは早朝、腕を組んだり座り込んだりして、「イスラエルを式典に呼ぶな」「核戦争を阻止するぞ」などと叫んだ。

 広島市職員らが「慰霊の方々に配慮してください」などと、原爆ドーム前から離れるように呼びかけた。広島県警の機動隊も出動するなどし、怒号が飛び交う事態になった。

 広島市は今年から、平和記念式典の入場規制範囲を原爆ドームを含む平和記念公園全体に広げ、拡声機やプラカード、ビラの持ち込みなどを禁じた。同団体はこうした規制強化に反対し、規制範囲外に移動させようとする市職員や機動隊に抵抗した。

 昨年の式典では、規制範囲外だった原爆ドーム前で通路を確保するために立っていた市職員に体当たりしたとして、今年2月に中核派の5人が逮捕、起訴される事件が発生。広島市はこの事件を受けて安全対策を強化した。

04:00

入市被爆の94歳、未明に祈り

 広島市の平和記念公園では、夜明け前の暗い中でも訪れる人が絶えない。人々は原爆死没者慰霊碑に次々と手を合わせた。

 広島市安佐南区の砂谷津彌香(すなたにつやか)さん(94)は車いすに乗り、娘(66)と慰霊碑を訪れた。原爆投下時は15歳。陸軍病院の看護師だった姉を探しにいき、入市被爆したという。

 娘は「母と静かに平和を祈れました。連れてこられてよかったです」。

【動画】早朝から手を合わせにきた親子。「保育園で原爆の話を聞いて怖かった。爆弾嫌だから鶴を折りたい」=8月6日午前4時26分、広島市、佐藤慈子撮影

00:30

原爆ドーム前で、自作の句歌集配る

 原爆ドームの前で、自作の句歌集を配る男性がいた。近くの「基町アパート」で暮らす中岡忠司さん(46)。祖母から被爆体験を聞いたことがきっかけで、平和や原爆などをテーマにした短歌や俳句を詠み始めた。

 24歳のときに被爆した祖母は、晩年になって中岡さんに体験を語り始め、11年前に亡くなった。以来、中岡さんは原爆ドーム前で句歌集を配っている。「直接話を聞くことができた祖母が亡くなり、語り継がなければならないと思った」

00:00

地球平和監視時計の日数「28855」に

 被爆から79年の8月6日を迎え、広島平和記念資料館(広島市中区)にある「地球平和監視時計」の日数が切り替わった。「広島への原爆投下からの日数」は「28855」を表示。「最後の核実験からの日数」は、今年5月に米国が臨界前核実験を行ったため、「84」となった。

■■■8月5日■■■

19:00

原爆ドームそば 鎮魂のかがり火

 広島市の原爆ドーム脇を流れる元安川で、原爆の犠牲者への鎮魂のかがり火がともされた。かがり火はいかだの上に設置され、被爆から79年となる「原爆の日」の前夜、原爆ドーム周辺を幻想的な光で照らした。

19:00

核兵器とジェンダー議論 女性議員ら登壇

 核兵器をめぐる問題をジェンダーの視点から議論する会が、平和記念公園近くのカフェ「ハチドリ舎」であった。核廃絶とジェンダー平等をめざす学生団体「GeNuine(ジェヌイン)」のメンバーが、女性国会議員らと登壇した。

 GeNuine共同代表で一橋大学大学院1年の徳田悠希さん(22)は、上川陽子外相が紛争の予防や復興に女性の視点を取り入れる政策に力を入れているとして、「核軍縮も今がチャンス」と話した。

 広島県福山市出身で被爆2世の塩村文夏参院議員(立憲民主)は、被爆による健康被害に性差がみられるとする研究に言及。「まだあまり注目されていない。もっと発信していく必要がある」と呼びかけた。

18:00

核廃絶へ日本の役割は 与野党議員が討論

 「広島原爆の日」を前に、与野党の代表らが広島市に集い、核兵器廃絶に向けた日本の役割を討論した。

 9政党の国会議員が出席した。野党からは、日本が署名・批准していない「核兵器禁止条約」について、少なくとも来年3月に予定されている締約国会議にオブザーバー参加すべきだという意見が相次いだ。公明党山口那津男参院議員も「唯一の戦争被爆国としてオブザーバー参加すべきだ」と述べた。

 自民党猪口邦子参院議員は「日本政府は(核保有国と非保有国)の橋渡しをしたいという考えで、核軍縮に関する賢人会議をずっと主催してきた」と強調した。

15:00

「強まる核兵器への依存」指摘

 各国の核軍縮義務の履行状況を確認し、行動を促す広島県の政策提言「ひろしまウォッチ」を、藤原帰一・東京大名誉教授らが日本外国特派員協会で発表した。広島県が毎年まとめている「ひろしまレポート」をもとに今回初めて作成し、193の国連加盟国すべてに送付する。

 「ひろしまウォッチ」は「強まる核兵器への依存」「核兵器の増加」「核実験再開の可能性」という三つの後退を指摘。「公約を守らない政府の責任を追及し、より安全な未来のための具体的な行動を促していく」としている。

10:30

朝鮮半島出身者の慰霊祭で核廃絶訴え

 広島市の広島平和記念公園にある「韓国人原爆犠牲者慰霊碑」の前で、朝鮮半島出身の犠牲者を追悼する慰霊祭があった。

 在日本大韓民国民団広島県地方本部の金基成(キムギソン)団長は「核を保有する国の抑止力に頼ることでは、平和と未来は訪れません」と核兵器廃絶を訴えた。韓国・在外同胞庁長の李相徳(イサンドク)氏は「韓国政府は広島の同胞が受けた痛みを忘れません。二度と原爆という惨事が繰り返されぬよう、最善を尽くすことを誓います」と追悼の言葉を述べた。

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