「必ず立て直す」と誓ったあの日 H3ロケット責任者の半生と苦悩

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佐々木凌
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 H3ロケット3号機が7月、打ち上げに成功した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)のプロジェクトマネージャ(プロマネ)として初めてチームを率いた有田誠さん(59)は、会見で「まさに100点の打ち上げでした」と語った。満面の笑みを見せたが、そこまでの道のりは決して平らではなかった。

 打ち上げ前日、有田さんは種子島宇宙センター鹿児島県)にある展示施設「宇宙科学技術館」にいた。

 サインや写真撮影を求める宇宙ファンが並び、その列が途切れない。スウェーデンから打ち上げを見に来たという若い女性もいた。

 「ロケット好きの子どもがそのまま大きくなった自分が、こんな立場になるなんて」

 中学1年生の時、1冊の本と出会った。

 学校の図書館でふと目に入っ…

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この記事を書いた人
佐々木凌
科学みらい部|宇宙担当
専門・関心分野
宇宙、原発・エネルギー、災害・防災
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    佐倉統
    (東京大学大学院教授=科学技術社会論)
    2024年8月25日10時0分 投稿
    【視点】

    ロケットは凶暴な機械であり、同時にそれこそがロケットの魅力ーー。ロケット技術が身体の一部となっているような有田さんならではの言葉だと思った。あらゆる科学技術が、程度の差こそあれ、ロケットのように凶暴さと魅力(便利さを含む)を持ち合わせている

    …続きを読む