日本人初の所長語る「覚悟」 ロシアや米も圧力、国際刑事裁の役割は
世界で「法の支配」が揺らいでいる。法に基づいて個人の戦争犯罪などを裁く国際刑事裁判所(ICC)は今、ロシアのみならず、民主主義の旗振り役を自任する米国からも圧力を受けている。今年3月に日本人初のICC所長に就任した赤根智子さんに、何が起きているのか、日本の役割とは何かを聞いた。
――ICCは昨年、ロシアのプーチン大統領や側近に、ウクライナ侵攻をめぐる戦争犯罪容疑で逮捕状を出しましたが、いまだ逮捕に至っていません。
「我々も逮捕状を出す以上は、最終的には逮捕して裁判を経て結論を出すべきであり、逮捕状さえ出せばそれでよいとは思っていません。実際、ICC締約国でない国の個人は、締約国に行かない限り逮捕することが困難です。一方で、将来を見据えれば、締約国が増えていくと実効性は高まります。ですから締約国は、非締約国に対してICCに加わるよう働きかけてほしいのです」
――しかし今月、締約国のモンゴルがプーチン大統領を逮捕せずに訪問を受け入れました。
記事の後半では、ロシアから指名手配されていることについて赤根さんが率直な思いを語っています。日本のジェンダーギャップへの考えや、所長に立候補した理由を明かしたインタビュー動画もあります。
モンゴルのプーチン氏受け入れ、対応は
「具体的な事案についてのコ…