のぞいてみよう、源氏物語の世界 伊賀のミュージアムで関連資料展示
紫式部の「源氏物語」について、様々な時代の関連資料で紹介する「のぞいてみよう 源氏物語の世界」が、三重県伊賀市別府のミュージアム青山讃頌舎(うたのいえ)で開かれている。NHK大河ドラマを機にミュージアムでは初めての開催。10月14日まで。
千年以上にわたって日本人に読み継がれてきた一方、時代時代で読者の理解を助ける工夫が施されてきた。鎌倉や江戸期の注釈書やダイジェスト版、絵巻や扇面などに描かれた「源氏絵」のほか、谷崎潤一郎や瀬戸内寂聴らによる現代語訳や漫画など、約50点で紹介する。源氏物語が成立した時代に平安貴族の間にも広まった仏教の末法思想にも触れ、福岡・大宰府や伊賀市で出土した経筒(写経を納めて地中に埋めたもの)などの現物も展示する。
特別展示するのが、色鮮やかな女房装束と「冠(こうぶり)直衣」だ。前者は宮中で天皇に接する女房(女官)が着用し、「十二単(ひとえ)」の名で知られ、重さは16キロもある。後者の直衣は高級官人の私服で、天皇の許しがあれば冠を着けての参内が許されたという。
会場には、石山寺や長谷寺など、源氏物語にまつわる寺や仏の日本画16点も。日本画家の故・穐月明さんの作品だ。学芸員の穐月大介さんは「これだけの資料はなかなかそろえられないのではないか。少しでも源氏物語を身近に感じてほしい」と話す。
火曜休館。一般300円、高校生以下無料。会期中、記念講演会もある。問い合わせは市文化都市協会(0595・22・0511)へ。
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