次期衆院選 北海道内12選挙区の構図は 区割り変更の影響も
衆議院は9日にも解散される見通しだ。石破茂首相が新政権の信を問う選挙は、15日公示、27日投開票が濃厚。6日時点での北海道内12選挙区の構図を整理する。
●1区
立憲現職の道下大樹氏に、自民新顔の加藤貴弘氏ら4人が挑む。故横路孝弘氏(旧民主)の地盤を引き継いだ道下氏が過去2回勝利するも、支援者の高齢化が課題。札幌市中央区など転勤者も多く、無党派層の動向がカギを握る。野党連携の行方も注目される。
●2区
現職2氏と新顔2氏が争う構図。立憲現職で当選6回の松木謙公氏、自民現職の高橋祐介氏、維新新顔の山崎泉氏、共産新顔の宮内史織氏が立候補を予定している。高橋氏は、裏金問題による堀井学氏(52)の辞職を受けて9月に繰り上げ当選。
●3区
自民現職の高木宏寿氏と立憲現職の荒井優氏ら5氏が立候補予定。前回は高木氏が4千票余りの差で制し、荒井氏が比例で復活当選した。いずれも新顔で、元道議の維新鳥越良孝氏、元札幌市議の共産伊藤理智子氏、鍼灸(しんきゅう)院長で無所属の増田健治氏も立候補予定だ。
●4区
自民VS.立憲激戦 石狩市がカギ
前回はわずか約700票差。自民の中村裕之氏と立憲の大築紅葉氏、現職同士の対決となり今回も激戦は必至だ。区割り変更で今回から4区になった石狩市(有権者約4万8千人)での票差が当落を左右しそうだ。
中村氏は自民の道連会長を務める。裏金問題や長谷川岳参院議員(53)による自治体職員への威圧的言動問題といった党への逆風が吹く中、道議時代から培った地盤の票をどこまでつなぎとめられるか。
前回、比例復活した大築氏は石狩市を重点的にまわり、知名度アップを図る。共産からは元札幌市議の佐々木明美氏も立候補を表明。6日の立候補予定者説明会には、元静岡市議の女性の代理人が出席するなどの動きもある。
●5区
対決4度目 「裏金」の影響は
自民現職の和田義明氏と立憲前職の池田真紀氏の一騎打ちの見込みで、2人は4度目の対決。これまでは和田氏が全勝してきたが、裏金問題が形勢に影響を与えそうだ。
和田氏は、義父の故町村信孝氏(自民)の地盤を引き継いで政界入り。過去3回とも、自衛隊基地がある千歳市や恵庭市で池田氏に差をつけ、勝利してきた。ただ、政治資金収支報告書への990万円の不記載で党の戒告処分を受けたことへの批判が予想される。
池田氏が、裏金問題や世襲に対する批判票を取り込み、比例復活した2017年以来の当選を果たせるか、注目される。
●6区
自民現職の東国幹氏に、ともに新顔の立憲西川将人氏、共産荻生和敏氏が挑む。西川氏は前回、直近まで市長を務めた旭川市でも東氏に及ばず敗れた。東氏は初当選後に指摘された旧統一教会との関係がどう影響するかが不安材料。共産の擁立は14年以来となる。
●7区
元外務副大臣で自民現職の鈴木貴子氏と、弁護士で立憲新顔の篠田奈保子氏の一騎打ちとなる見通しだ。
7区選出で沖縄・北方担当相に就任した自民伊東良孝氏(75)は今回は比例単独での立候補となる見込み。
●8区
立憲現職の逢坂誠二氏は過去2回の衆院選では自民候補との一騎打ちを制してきたが、今回は三つどもえの争いになりそうだ。自民新顔の向山淳氏は昨夏から知名度向上を図ってきた。共産新顔の本間勝美氏は今年1月に立候補する意向を表明した。
●9区
逆風下の自民 一枚岩なるか
立憲現職の山岡達丸氏に、自民新顔の松下英樹氏と共産新顔の立野広志氏が挑む。
山岡氏は、2009年に比例で初当選。12年以降3回連続で自民前職の堀井学氏(52)=離党、議員辞職=に敗れたが、17年は比例で復活当選。前回初めて選挙区を制した。
松下氏は、党の裏金問題などで堀井氏が次期衆院選への不出馬を表明したことを受け、選挙区の公認候補となる新支部長候補の公募で、9月末に選ばれた。松下氏の知名度不足に加え、支部内には選考を巡る不満も残る。裏金問題など党へのマイナスイメージ払拭(ふっしょく)に向け、組織が一枚岩になれるかは不透明さもつきまとう。
●10区
協力区 公明は議席守れるか
いずれも現職の公明稲津久氏と立憲神谷裕氏の3度目の一騎打ちの見込み。稲津氏が2連勝中だが、前々回はわずか513票差だった。公明の全国の計9小選挙区議席のうちの一つを持つ稲津氏が今回も守り切れるか。
道議出身の稲津氏は2009年に比例で初当選。自公連立政権が復活した12年以来、選挙区での当選を重ねる。前回は山口那津男代表(当時)が3度の選挙区入り。自民の岸田文雄首相(同)も応援に来るなど選挙協力の象徴区だ。
神谷氏は10区を地盤とした小平忠正氏(旧民主)の元秘書。初挑戦の14年は、稲津氏や共産候補との三つどもえで落選。野党一本化した17年以降は連続で比例復活当選した。
●11区
過去2回、立憲現職の石川香織氏と自民現職の中川郁子氏の「因縁の一騎打ち」。共産は、前々回は野党共闘で独自候補擁立を取り下げて、前回も擁立せず、石川氏が2連勝している。今回は、共産新顔の佐藤耕平氏が立候補する意向で、三つどもえとなる見込み。
●12区
自民現職の武部新氏と立憲新顔の川原田英世氏が立候補を予定する。前回は、武部氏に川原田氏と共産新顔が挑んだ。得票率は野党2候補合わせて42%。前々回も野党2候補が挑み、得票率は計46%。今回、武部氏と川原田氏の一騎打ちとなれば接戦の可能性もある。