サブスク時代になぜ? 平成J-POP支えた「短冊CD」に再び脚光
ミリオンセラーが続出した1990年代、音楽市場を席巻したのは、最長でも約22分しか収録できない8センチCDだった。そのパッケージの形状から「短冊CD」とも呼ばれる円盤がいま、再び注目を集めている。
大滝詠一の「幸せな結末」、ユニコーンの「働く男」――。東京都武蔵野市のレコードショップ「ココナッツディスク吉祥寺店」では昨年から、店頭の一番目立つ場所に8センチCDコーナーを設けた。店主の矢島和義さんは「以前は全く売れず箱に入れて隅に置いていたけど、3年ほど前から問い合わせや購入する人が増えてきた」と話す。20~30代の若い世代が買っていくことも増えているという。
サブスクや配信で音楽を聴くことがすっかり主流になった令和の時代。なぜ、不便な8センチCDにひかれるのでしょうか。記事後半では、1万5千枚以上を収集するコレクターや、ガイド本を出版した8センチCD専門DJが魅力を語ります。
日本レコード協会によると、日本で最初に8センチCDが発売されたのは1988年。2000年ごろから直径12センチのマキシシングルへ移行していき、サブスクの隆盛を経て、市場から姿を消していった。発売されたタイトルは15万以上ともいわれ、全盛期の1997年には年間1億6800万枚が生産された。
2021年には年間生産数が9千枚まで落ち込んだが、再生産の動きが出てきた。CD製作を手がける「こだわりのCDプレス プレスミー」は22年7月から、100枚からの小ロットで受注製作を始めた。
きっかけは「サカナクション」
きっかけは代表の木田亮介さ…