温暖化の影響は海にも 希望ある社会につながるポジティブな取り組み

コーディネーター・市野塊
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朝日地球会議2024」オンラインセッションから

 「対話でさぐる 共生の未来」をメインテーマに10月下旬に開かれた「朝日地球会議2024」では、「想像しよう2100年の地球 私たちは何をする?」と題したオンラインセッションが開かれた。主な内容は以下の通り。

 2100年にはどんな未来が待っているのか。地球温暖化の影響は幅広く、海の変化や生物への悪影響なども指摘される。東京海洋大学客員教授のさかなクンと、特別協賛の旭硝子財団理事長の島村琢哉さんが多岐にわたる視点で未来を語った。

 さかなクンも島村さんも、今夏の酷暑に触れ、未来のイメージを「不安」「どきどき」と表現した。産業革命前からの気温上昇が今世紀末に3度以上になるとの推計もある中で、孫や子どもの世代が過酷な気候を体験しかねない心配からだ。

 さかなクンは温暖化に伴う海の変化をイラストで紹介。日本近海で、ワカメやアマモが海水温の上昇などで減っている場所があるという。藻場は魚の生育や、二酸化炭素吸収にも関わる。

 東京湾にいなかったはずの南方系の魚が、10年ほど前から増えている――。島村さんもそんな話を水中写真家から聞いたという。「アンバランスな状態がどんどん生態系に影響していく」と懸念した。

 何ができるかも話し合った。さかなクンは地元の漁師や農家がとった新鮮な食材を地産地消で食べていると紹介。運搬の際に出る二酸化炭素を減らすことにつながる。島村さんは近くの距離は車を使わずに自転車や徒歩で移動することは健康にもよいと話した。

 さかなクンは「自分一人でやっても無駄かもしれないとネガティブに考えると進めない。でも、自分はこんなことできるぞとポジティブに取り組めば、どんどん楽しく先に進める」。島村さんは「希望が生まれるような社会にするために、今できることを一つ一つ積み重ねていくべきだ」と話した。

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この記事を書いた人
市野塊
科学みらい部兼国際報道部|環境省担当
専門・関心分野
気候変動・環境、医療、テクノロジー