「空母がいる限り…」横須賀配備から半世紀 岩国、馬毛島へ及ぶ影響
米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)に2008~15年に配備されていた原子力空母「ジョージ・ワシントン」が今月、再配備される。同型艦の「ロナルド・レーガン」が5月に米本土へ帰還したことに伴う交代で、通算6代目(計5隻)。空母配備から50年余りが経ち、かつてのような大規模な反対運動はなくなったが、横須賀以外の各地にも空母の影響は及んでいる。
横須賀基地から北西へ30キロほど。住宅地に囲まれた米軍と自衛隊が共同使用する厚木基地(綾瀬市、大和市)では、周辺住民が軍用機の騒音被害を訴えて国を繰り返し提訴し、裁判所は違法状態と認定してきた経緯がある。
最大の騒音源は、同基地に配備されているFA18戦闘攻撃機などの空母艦載機だった。日米両政府は住宅密集地での事故防止や騒音被害の解消に向けた協議を重ね、2005年の在日米軍再編中間報告に、この空母艦載機部隊を米軍岩国基地(山口県)へ移転する計画が盛り込まれ、全約60機が18年3月までに移駐した。
しかし、今年8月に大和市の公園であった第5次厚木基地爆音訴訟の決起集会で、厚木基地爆音防止期成同盟の石郷岡忠男委員長は声を張り上げた。
「艦載機が岩国に移転してやっと静かになったと思っても、艦載機は度々やって来る。騒音被害は続いているのが現実です」
裁判は、厚木基地の自衛隊機…