東北電力女川(おながわ)原発が13年8カ月ぶりに稼働した。宮城県の太平洋側にある牡鹿(おしか)半島に立地し、東日本大震災で被災した原発である。
あの日、原子炉建屋の敷地に迫る13メートルの津波が押し寄せて地下設備が浸水し、火災も起きた。5回線の外部電源のうち一つだけ残り、大事故を免れた。一方で、発電所は直後に体育館を開放し、翌週出産予定の妊婦を含む住人が身を寄せた。約3カ月間、最大364人が避難生活を送った。
同じ地震と津波で大事故に至った東京電力福島第一原発との違いは、どこにあったのか。
東北電の土木技師だった大島達治さん(95)は「結果責任を負う経営者の在り方の問題だ」と指摘してきた。
東北電は1960年代後半の…
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