2025年の春闘に向け、労働組合の産業別組織(産別)が過去最高の賃上げ目標を相次いで示した。物価上昇が続く中、33年ぶりに5%超(定期昇給分を含む)の賃上げ率となった今春闘の勢いを維持しようとするが、賃上げの広がりには課題もある。
「日本経済の好循環の安定や、働く者の安心感を恒常的に提供できるかどうかの分岐点に立っている」
自動車や電機などの労組の産別でつくる金属労協の金子晃浩議長は3日の会見で、こう意気込んだ。来春闘の統一要求額は、基本給を底上げするベースアップ(ベア)を過去最高の「月1万2千円以上」とした。平均賃金のおよそ4%以上にあたり、労組の中央組織・連合が掲げたベア3%以上という目標を上回る水準だ。
賃上げ、物価上昇に追いつかず
背景には、物価高に賃金の伸…