「トイレが使えなくなるとどうなりますか?」。そう問うと、児童が一斉に手をあげた。「病気になっちゃう」「体におしっこがたまる」と返ってきた。
先月12日、東京都大田区の出雲小学校で5年生対象の特別授業「災害時のトイレ」があった。教壇に立ったのはNPO法人「日本トイレ研究所」の加藤篤さん。おしっこに見立てた液体と便器を教室に持参し、水がなくても用を足せる携帯トイレの使い方を伝授した。
きっかけは支援に入った能登半島地震の避難所での経験だった。断水で流れないのに被災者がトイレを使うため、汚物がてんこ盛りとなった。清掃活動を続けるうち、やがて携帯トイレの使用にみんなが慣れ、次の人のために携帯トイレをつけておくマナーも定着した。
避難所を運営する女性からは…