アジアは連帯できるか 100年前に孫文が神戸の講演で問うたもの

有料記事序破急

論説委員・村上太輝夫
[PR]

 孫文はその生涯で神戸を18回訪れた。

 清朝を倒す革命運動を主導し、中華民国の臨時大総統に就いた孫文はその後、混乱を経て国内再統一を狙っていた1924年11月下旬、船で上海から長崎を経由、神戸に来た。28日、神戸高等女学校講堂の演壇に立つ。歴史に残る「大アジア主義講演」である。これが最後の訪問となり、翌年3月に北京で死去する。

 欧米は武力でアジアを圧迫してきた。これは覇道だ。アジアは仁義と道徳に基づき弱者に味方をする。これは王道だ。王道を基礎にしたアジア主義を掲げ、中国と日本が手を結ぼう。孫文はそう語った。通訳のうまさも相まって、数千人の聴衆が拍手喝采したと伝えられる。

 講演から100周年を記念す…

この記事は有料記事です。残り602文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません