フランス中銀総裁「保護主義強まればリスク」 トランプ政権念頭に
フランス銀行(中央銀行)のフランソワ・ビルロワドガロー総裁が朝日新聞の単独インタビューに応じた。世界経済が直面する課題の一つに米国の政策動向を挙げて、来年1月にトランプ前大統領が返り咲くことを念頭に、「保護主義が強まればリスクが高まる」と指摘。「歴史的に見ても、保護主義は良い手ではない」と述べた。
ビルロワドガロー氏は仏財務省や民間の銀行などを経て、現在は欧州中央銀行(ECB)の理事も務める。日本銀行の植田和男総裁と出席するイベントなどのため来日し、11月21日に取材に応じた。
世界経済について、ロシアによるウクライナ侵攻などで2年前は「誰もが長引くインフレ(物価高)や不景気を恐れていたが、どちらも回避できた」と語った。だが、不確実性は残るとも指摘。戦闘が続くウクライナや中東の情勢と並んで「米国の政策」を挙げた。
トランプ氏は、あらゆる輸入品に高関税をかけるなどの保護主義的な政策を掲げている。ビルロワドガロー氏は「歴史的に見ても、保護主義は物価の上昇を引き起こして消費を弱らせ、技術革新の力もそぐ。良い手ではない」と警戒感を示し、日本を含む主要7カ国(G7)での対話の重要性を強調。「日本と欧州、米国が対話し、共通の解決策を持つことが望ましい」とした。
ユーロ圏経済は、ウクライナ…