外国人を地域おこし協力隊員に 国も積極支援も日本語の壁が課題に

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東野真和 山浦正敬
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現場へ! 地域おこし協力隊(3)

 「○○さんは、お箸ではなくてスプーンですね」

 岩手県大槌町吉里吉里の特別養護老人ホームの昼食時、モンゴル人のバトゲレル・アリウンゲレル(26)は入居者に日本語で話しかけた。町の地域おこし協力隊員の一人だ。「最初は方言がわからず苦労した」と笑う。

 「日本語や文化が好き。例えば『遠慮』は他の国にない良い言葉ですね」

 特定技能制度を利用して2018年9月に来日し、さいたま市介護施設で働きながら介護福祉士の資格を取った。「都会より田舎が好きなので」と、親類の友人の紹介で昨年春に大槌町の施設に移った。

過疎地の介護施設のモデルに

 協力隊の任務は町で働く外国人労働者の生活コーディネーター。もう1人のモンゴル人隊員と、同郷人に付き添って病院や役場に行ったり悩みを聞いたり。秋にミャンマーからも3人が介護職で来た。

 夏祭りで郷土芸能を踊り、地域の草刈りに加わる。住民から「アリー」と呼ばれる。

 「将来は、来日外国人に日本語や介護など学んだことを教えられる人になりたい」。隊員の任期を終えても町に残りたいという。

 アリーらを協力隊に起用でき…

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この記事を書いた人
東野真和
釜石支局長|震災復興・地方自治担当
専門・関心分野
震災復興、防災、地方自治、水産業
山浦正敬
ネットワーク報道本部
専門・関心分野
事件・事故 災害 サッカー 多様な生き方