韓国大統領弾劾案、可決ライン「造反8人」の攻防 14日に再度採決
「非常戒厳」を出した韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領に対する2度目の弾劾(だんがい)訴追案が14日に採決される。保守系与党・国民の力の中でも賛成を表明する議員は増えており、造反者数が「可決ライン」に届くかぎりぎりの攻防が続いている。
一方、警察関係者は13日、尹氏の逮捕状請求や事情聴取、公邸の家宅捜索などを「検討している」と明らかにした。韓国メディアによると、警察は同日、警察トップの趙志浩(チョジホ)・警察庁長官と金峰埴(キムボンシク)・ソウル警察庁長官を逮捕した。軍に続き警察もトップが刑事責任を問われる事態に発展した。
検察は尹氏の高校の後輩で非常戒厳時の政治家らの逮捕計画にかかわった疑いがもたれている当時の軍防諜(ぼうちょう)司令官への逮捕状を請求した。
野党6党が提出した弾劾案は13日に国会本会議に上程された。尹氏を「国民の信頼を裏切って憲法が付与した戒厳宣布権を乱用し、内乱罪を犯した」とし、尹氏を内乱の「首謀者」だと指摘している。
可決には国会の在籍議員300人の3分の2の賛成が必要で、与党から少なくとも8人の造反が必要となる。与党の韓東勲(ハンドンフン)代表は弾劾案への賛成を呼びかけており、これまでに7人が賛成の意思を示している。
ただ、尹氏に近い権性東(クォンソンドン)院内代表は13日の記者会見で「国政の混乱を収拾し、内外の衝撃を最小限に抑えることに集中するのが党と国会の最優先課題だ」と述べ、反対の姿勢をにじませた。
党としては弾劾案に「反対」…
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