異例の経団連会長人事 日生・筒井氏起用の決め手は「社会性の視座」

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木村裕明 杉山歩
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 来年5月に任期を終える経団連の十倉雅和会長(74)の後任に、日本生命保険の筒井義信会長(70)を起用する人事が内定した。十倉氏が17日、正式に表明した。「財界総理」と呼ばれる経団連会長は、これまで重厚長大型の製造業の経営者から選ばれるのが慣例で、金融機関からの選出は初めて。起用を主導した十倉氏は、公正・公平で持続可能な経済社会の実現を重視する観点から「人物本位で選んだ」と語った。

 来年1月14日の会長・副会長会議で人事案を正式決定し、5月29日の定時総会を経て筒井氏が第16代会長に就く予定だ。任期は2期4年。

 これまでは現職の副会長か副会長経験者で、製造業の経営者から会長を選ぶのが慣例となっていた。新日本製鉄(現日本製鉄)やトヨタ自動車日立製作所などが会長を輩出し、歴代の会長15人のうち製造業以外からの起用は2人しかいない。日生は保険契約者を社員とする相互会社で、非上場企業からの起用も極めて異例だ。規制業種である金融業の出身者は産業界の代表である経団連会長にはなじまないとの意識も強かった。

 十倉氏は任期の最終年度を迎…

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この記事を書いた人
木村裕明
経済部|財界・民間企業担当
専門・関心分野
企業経営、働き方、ダイバーシティー、企業による社会課題解決、障がい児・者との共生社会