ただ、応援したい。力になりたい。なのに、いつも、余計なことばかり言ってしまう。悩む我が子になんて声をかけてあげたらよかったのか。最近、堂々巡りだった。
埼玉県所沢市の保育士、田中明子さん(60)は、同じく保育士として奮闘する次女(28)が、仕事のことで悩んでいるのを知っていた。
理想と現実の間で、思い描く保育に近づけないこと。職場の人間関係の難しさ。相談されると、同じ仕事の先輩だとの思いもあり、つい解決したくなって助言した。「(自身の悩みを)こんな風に話してみたらどう?」「(年上の保育士さん)にはこんな声のかけ方はどう?」
次女は次第に悩みを話さなくなった。今思えば、ただ悩みを聞いて欲しかっただけだったのかもしれない。その時は、気づけなかった。
そして今春、新しい仕事に転職した。「仕事、辞めることにした」。事後報告だった。
屋根裏でみつけた手紙
「何も力になってあげられなかった」。モヤモヤしていたある日、子どもたちの絵や作品を保管していた屋根裏を整理していたら、一つの箱の中に手紙の束をみつけた。
宛名はすべて、〈サンタさん…
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