鏡よ鏡、盗撮を防いで エスカレーター脇見れば「魔の手」も映る

川西めいこ
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 鏡があると、つい見てしまう――。そんな行動心理を利用した盗撮対策が、愛知県内のエスカレーターに導入されている。背後の視認性向上だけでなく、「周囲の目」を意識付けて盗撮を抑止する狙いもある。

 愛知県警は16日、名古屋駅近くのエスカ地下街(名古屋市中村区)など2カ所のエスカレーターに3枚の鏡を設置した。エスカで上りエスカレーター左側の壁に設置された鏡は横23センチ、縦33センチのアクリル製。こうした盗撮抑止の鏡は今年4月、名古屋市営地下鉄八事駅(同市昭和区)で初めて設置され、今回が県内2例目。

 名古屋駅周辺に設置された鏡の製造会社「コミー」(埼玉県川口市)によると、この鏡は平面なのに広角で映り「特殊な加工により後ろの人の手元まで見える」のが最大の特徴だ。同じ構造の鏡は駐車場の出入り口などにも設置され、死角を減らして安全確認や衝突防止に役立っている。

 同社の鏡は2023年12月、埼玉高速鉄道の浦和美園駅に実験的に設置された。同駅の利用者アンケートでは「鏡があると安心する」などの意見があった。その後、阪急電鉄の大阪梅田駅JR西日本の三ノ宮駅、福岡市地下鉄の櫛田神社前駅などにも設置されたという。

 県警によると、24年1月から10月末までに、県内での盗撮の目撃や被害情報は508件。そのうち63件がエスカレーターだった。生活安全特別捜査課の河村巧課長補佐は「当面は鏡設置の効果の検証を続け、効果があれば(他の場所にも)広げていきたい」と話している。

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この記事を書いた人
川西めいこ
名古屋報道センター|愛知県警担当
専門・関心分野
ジェンダー、選挙、性暴力、若者の政治参加