NHKのETVでコロンビア大学ビジネススクールのシーナ・アイエンガー教授の講義が放映されています。
テーマは「選択」。
アイエンガー教授は、敬虔なシーク教徒の両親の元にインド系アメリカ人二世の娘として生まれました。
シーク教徒は衣食住、職業、結婚はすべて宗教上の掟と両親の意向によって決められます。そこには個人の選択が入る余地はまったくありません。アイエンガー教授の両親の結婚も、家同士によって取り決められ、結婚式が終わって初めてお互いの顔を見たそうです。
そんな家庭に育ちながらアメリカの公教育を受けたアイエンガー教授は、自分のことは自分で決めるのが当たり前であり、すべての人は選択の権利を持つと教えられます。
相反する二つの文化に接したことにより、教授は社会心理学の研究テーマに「選択」を選びます。
さまざまな調査や実験データを駆使して、人間にとって「選択」とは何かを解き明かしてくれる講義は、占い師にとって非常に興味深いものです。
「最近冷たくなった彼と別れて、新しい恋を探すべきか」
「事業の後継者をAさんにすべきか、Bさんにすべきか」
「海外旅行の行き先は、香港かハワイか」
「定年後も東京に留まるか、故郷に帰るか」
占い師は、日々、選択のための助言を求められます。
暦を開き、手相をチェックし、タロットカードや筮竹を捌くことで、人間に与えられた「選択」という力を最も効果的に使う方法を探るのが占い師だと思います。