翡翠輝子の招福日記

フリーランスで女性誌の原稿書き(主に東洋占術と開運記事)を担当し、リタイア生活へ移行中。2023年秋、スペイン巡礼(フランス人の道)。ウラナイ8で活動しています。日本文芸社より『基礎からわかる易の完全独習』刊行。おかげさまで重版になりました。

世界

健康版ノブレス・オブリージュ

年に2回、400ml献血を続けています。アルコール飲み過ぎでγGTPが60あたりをうろうろしている以外は、これといった持病もなく過ごしているので69歳まで献血できそうです。 前回の献血で成分献血をお願いされました。検査のための採血の看護師さんと、献血担…

この優しい世界の片隅で

大分の旅は二泊目から夫と合流。一人旅でなくなると、つい飲酒量が増えてしまいます。 スペインのバスク地方にサンセバスチャンという美食の街があり、複数のバルを回って一口か二口サイズのピンチョスをつまむのが流行っているそうです。別府は「日本のサン…

来年の自分に申し送り

12月になるとフィンランドからクリスマスプレゼントが届きます。 マリメッコのポーチとノート、チョコレート、乾燥ブルーベリー、自然塩。 送ってくれるのは、カウチサーフィンで泊めてもらったフィンランド人の友人。2013年のことですから、もう10年以上交…

いつもきらきら光ってほしいソウル

ソウルで能天気にBTSの聖地巡りを楽しんだのは、先週のこと。戒厳令のニュース画像で目にするソウルはまったく別の街に見えます。 副業として3年ほど非常勤講師で留学生に日本語を教えていたことがあります。スイスに本部がある学校で、欧米の富裕層の子弟…

毎日が誕生日

記録的な大雪だったソウルですが、到着2日目まではいいお天気だったので、行きたいところすべてに足を運べました。 その中の一つ、弘大(ホンデ)のEveryday Happy Birthdayカフェ。「毎日が誕生日」というコンセプトで、ケーキ類はすべてロウソク付きで提…

世襲か叩き上げか

ブレディみかこ『他者の靴を履く』にマーガレット・サッチャーの興味深いエピソードが出てきます。 https://amzn.to/3UQmkOZ 「鉄の女」と呼ばれ冷酷なイメージの強いサッチャーですが、身近な人に対してはとても思いやりがあふれた人物だったそうです。 官…

小さなユートピア

メイ・サートンの一連の日記を読んでいると、日本旅行の思い出が随所に出てきます。ベルギー生まれでアメリカで暮らしたメイ・サートンにとって遠い異国である日本は、10年以上たっても、印象に残る旅先だったのでしょう。 私にとってはスペイン巡礼。無謀な…

カミーノを遠く離れて

気がつけば11月上旬が過ぎつつつあり、昨年秋の7週間にわたるスペイン巡礼から帰国して1年以上たちました。 日々記憶は薄まっていますが、ふと思い出すエピソードもあります。 サンティアゴ・デ・コンポステーラ手前100キロのサリアで1回目の巡礼を終える…

自分だけの儀式

メイ・サートンの日記シリーズを読むと、彼女が一人暮らしで節度を保ちながら楽しく生きたのは生活に儀式を確立していたからだとわかります。 夕食のテーブルには必ず花とワイン。「すべては、客人のために整えられたかのように。そして、客は、ほかならぬ私…

物欲はやはり消滅していなかった

昨年のスペイン巡礼では、自分が背負えるだけの最低限の荷物で歩いたので、物欲がまったくなくなりました。 bob0524.hatenablog.com しかし日本に帰って物質文明に囲まれていると、欲しいものが次々と出てくるのです。 手書き用の文房具コレクションは趣味。…

ニセコと資本主義

北海道のニセコに行ったのは、日本国内で展開されている資本主義の最前線だから。ラーメンが3000円だとか、時給が低すぎて(他業種時給が高すぎて)介護職員が集まらないなど報じられていますが、自分の目でニセコを見て今後の相場の動きのヒントを得たかっ…

登別で実感する経済格差

静かなカルルス温泉に三泊し、バスで登別温泉まで戻り夫と合流。宿以外に何もなかったカルルスから、一気に都会に戻った気分。コンビニや飲食店が立ち並び、外国旅行者も目立ちます。 前回、第一滝本館での体験がすばらしかったので再び泊まることにしました…

キャットレディーでも惨めな人生じゃない

共和党の副大統領候補が『ヒルビリー・エレジー』の著者J.D.ヴァンスだと知ったのが先週のこと。 bob0524.hatenablog.com その後、民主党の大統領候補がジョー・バイデンからカマラ・ハリスになり、おじいさん同士の対決で見どころのなかった大統領選がいき…

ヒルビリーを遠く離れて

世界を震撼させたトランプ前大統領銃撃事件。大統領選への影響も大きいとあって、報道が続いています。 驚いたのは共和党の副大統領候補がJ.D.ヴァンスだったこと。彼が書いた『ヒルビリー・エレジー』に衝撃を受けたのは5年前のことです。 bob0524.hatenab…

無念のうちにこの世を去った人々に思いを馳せる

「妊娠したら、街を歩いてて小さな子どもがよく目につくようになった」という話がありますが、何かのきっかけで普段あまり意識していなかったことが急にクローズアップされることがあります。 映画『関心領域』を観たことで、欧米の著者による本を読んでいる…

想像力をシャットアウト 映画『関心領域』

ポーランド映画『関心領域』がずっと話題になっていましたが、やりすごしていました。スペインから帰国する頃には公開が終わっていて観ないで済むと思っていたのです。ところが、話題の映画だけあってロングラン。これは観ておけということなんでしょう。 ww…

ボーダーレス化する世界

昨年に続いてスペインを歩いてみて、日本の外に出ないと私は息が詰まって内向き志向になっていくと実感しました。単なる外国好きと言ってしまえばそれだけですが、日本の外に目を閉ざして生きていくのはむずかしい時代です。 JALのスマートフォン決済サービ…

沈みつつある国で、いつまでも若く

那須湯元の湯治は楽しかったけれど、日本が本当に沈みつつあると実感した旅でした。 東京で暮らしていると、ちょっとしたイベントで大混雑となり、いたるところに若者の姿。外国人観光客も押し寄せ、いつもお祭り騒ぎのようです。日本が衰退するなんて想像で…

多様性を知るための占い

ウラナイ8の配信イベントが終わってほっとしています。 uranai8.jp 大谷翔平選手と水原一平氏は、占い師にとって格好の教材です。依頼されてもいないのに勝手に占うのはよくないとも言われますが、これほどの有名人に起こった空前絶後の事件。占わないではい…

丁寧な暮らしなんて無理

60代を迎えるまで、仕事に追われる日々を送ってきました。 次から次へと締切に追われ、ネットが普及する前の戦場のような締切直前の編集部でなんとか生き残りました。家事はとにかく手抜き。丁寧な暮らしにあこがれながらも「今は無理」と自分に言い聞かせて…

狂わずにいるためには、狂わなくてはいけない

スポーツクラブのズンバやヒップホップのレッスンが楽しいのは、単なる趣味だから。インストラクターになりたい、あるいはプロのダンサーになりたいという野望を抱いている人にとっては、目標が実現できなくても、踊っている瞬間を純粋に楽しむことはむずか…

ダンスするように生きる

旅に出てばかりの日々ですが、ゴールデンウィークはおとなしく家にいました。 連休中の最大のイベントは、スポーツクラブで開催されたズンバのジョイントレッスン。通常のレッスンはインストラクターが一人ですが、ジョイントレッスンは他のクラブのインスト…

アイルランドの日本庭園を巡る長い物語 Part3

イギリスのブライアン・イイダ氏から「姪のスーが息子と彼のガールフレンドの3人で日本に行くので会ってみたらどうか」と連絡がありました。 ブライアンと知り合ったのは30年以上前。会社を辞めてフリーランスになるのを機に出かけた3か月のアイルランド旅…

やすらぎの里の"Life Goes On"

伊豆高原のやすらぎの里、今回の滞在は普通食コースなのに、うっすらとした空腹が続き、何か一口食べたい状態が続いていますが、それほど大変ではありません。今回、断食コースは活動的な人が多く、こちらのほうが断食しているみたいな逆転現象が起きていま…

一家に一冊『鬱の本』

お花見に近所の公園に行ったら、入学式帰りの新一年生たちにたくさん会いました。ぴかぴかのランドセルを背負って、どの子もうれしそう。 若い人たちにとって春は始まりの季節ですが、人生のゴールが視界に入って来ると「あと何回、お花見ができるだろうか」…

沖縄酔いどれ紀行

昨年のスペイン巡礼で一番避けたかったのは、ワインの飲み過ぎ。 巡礼で歩いたリオハ州はワインの名産地で、地元のワイナリーが巡礼者のために無料でワインを提供しています。石造りの壁に蛇口があり、ひねると赤ワインが出ます。巡礼メニューには赤ワインが…

沖縄と鈍感力

仕事をリタイアしたら、花粉シーズンは沖縄に長期滞在。そう決めていたのですが、スポーツクラブのダンスレッスンを長く休みたくないし、仕事も完全に切れたわけでもないので、とりあえず5泊6日の滞在。最初の3泊は夫も同行です。 沖縄に来るのはだいたい…

北陸応援割と「すっぱい葡萄」

北陸応援割、JALで小松に飛んで空港近くの片山津温泉あたりに泊まれるといいなと思ってJMBツアーで予約を試みましたが、あっという間に枠が埋まってしまいました。本当に応援したいのなら、割引なんて使わず正規料金で行くべきなのでしょう。 定期的に通って…

「縦の旅行」ができているか

引き続き玉村豊男の『旅する人』からのエピソード。 日本にやってくる外国人観光客のツアーガイドのアルバイトを始めた時、先輩からこんなアドバイスがあったそうです。 要は、金魚の入った金魚鉢を、水もこぼさず金魚も殺さずにA地点からB地点に運ぶことな…

島根県温泉津(ゆのつ)でカミーノ!

今年は湯治の年にすると決めて、まず来てみたかったのが島根県の温泉津。「ゆのつ」と読むとは難読地名ですが、まさに温泉ありきの街です。 最初に訪れたのは2015年でした。 bob0524.hatenablog.com 島根の温泉は車がないとたどり着けないところが多いのです…

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