月800円でネットフリックスを申し込んで、映画やドラマを楽しく見ています。
当初はコンマリの『片づけの魔法』を楽しみました。
演技や台本のない出演者の行動を放映するアメリカのリアリティ番組。もちろん少しは演出もあるのでしょうが、元々が外国ものだから嘘臭く感じられません。
コンマリの『片づけの魔法』はアメリカの広々とした家インテリアやポップな生活用品を見るのも楽しい。
そして、『片づけの魔法』よりパワフルなのが『Queer Eye(クィア・アイ)』。『片づけの魔法』では、出演者が自分の持ち物をすべて出して「スパーク・ジョイ」かどうかで分類していかなければいけませんが、『クィア・アイ』では5人のゲイがおぜん立てしてくれることも多いのです。ファッションや美容は本人が店に行きますが、インテリア担当のボビーは出演者が大切にしている物は残し、好みのテイストを聞いてリフォームしてくれます。
5人の担当は、インテリア、カルチャー、ファッション、美容、フード。なるほど、衣食住のすべてを整えてもらえば、人生も好転します。しかも5人は「ファブ5」。fabulous(ファビュラウス)という形容詞にふさわしく、おしゃれで陽気、包容力のあるゲイたちです。
Queer Eye | Official Trailer [HD] | Netflix
エンジニア、警察官、トラック運転手など出演者の職業はさまざまですが、自分の殻に閉じこもって変化を嫌うタイプがよく登場します。
アプリ開発事業を手掛けるインド系エンジニアは、スティーブ・ジョブズの例を出して毎日同じ黒いTシャツを着ていることを正当化しようとします。
Well, it's because if you spend less time thinking about your outfit, you can spend more time creating. That's why Steve Jobs wore the same thing every day.
服のことを考えなくてすめば、その時間をクリエィティブなことに使える。だからスティーブ・ジョブズは毎日同じ服を着ていたじゃないか。
ファッション担当のタンはこうした出演者に対し、「コンフォートゾーンから出よう」とよく言います。これまでと同じもっさりした格好をしていれば傷つくこともないけれど、もっと自分の個性を活かしたほうがいい。クリエイティブな人間なら、服装でもそうみせよう。スティーブ・ジョブズまで上り詰めていなければ、まず周囲に好感を持ってもらわないといけませんから。
6人の子供を持ち、昼間はエンジニア、夜間はスーパーの品出しというダブルワークを続ける疲れた男性も登場します。家の中がみごとにめちゃくちゃ。奥さんも疲れ切っています。
おそらく敬虔なカトリック教徒なんでしょうが、性的嗜好と人間性は関係ないと言い切りファブ5と信頼関係を築きます。アメリカでは同性愛は市民権を得たと思っていたのですが、保守的な南部では偏見も強く、ファブにも親に家を追い出されたり、学校でいじめにあったメンバーもいるそうです。
この回のテーマはオーガナイズ。家が片付いて、お父さんはしみじみこう語ります。
When I used to walk into my house, the disorganization, it was a remainder that I'm not enough. Now when I walk in, I see organization structure, and I feel peace. I see home.
かつては散らかった家に帰るたびに、自分の不甲斐なさを感じていた。今の家は整然として安らぎが感じられる。これこそが家だ。
おおみそかまであと10日ほど。organizationにはほど遠い我が家ですが、なんとかこの境地に達したいものです。
たまに高級ホテルに泊まるとあまりにもオーガナイズされた状態に居心地が悪くなります。ほどほどでいいから、乱雑じゃない部屋が好みです。