3日間、ジーン、カレン、ケンと過ごすうち、
忘れていたアメリカ時代の思い出が
どんどんと湧き上がってきた。
8年ちかく生活していたアメリカ。
私の第二の故郷であり、
彼女たちは第二の家族。
カレンとは、かつてのように、
姉妹のような毒舌の応酬。
これがたまらなく懐かしい。
そして。
3日間、共に過ごしてジーンの老いを痛感。
どこへ行くにも、私やカレンの腕を
つかまなければ、一人で歩けない。
そんな身体なのに。
私に会うために、この島根まで。
「私が死んでしまうまえに、サンディエゴに来て。
私の家にずっと泊ってたらいいから、
住むところは心配しなくていいのよ。
ね、いつ会いに来てくれる?私ももう
そんなに長く生きていられないからね。」
松江に滞在中、1日に何度も念押しされる。
その度に、現実が胸を突き刺す。
好奇心旺盛で、誰も知り合いのいない
アメリカへ単身飛び込んでいった、かつての私。
エネルギーに満ち溢れて、憧れだった
アメリカン・カルチャーに身を置き、
自由奔放に生きていたあの頃。
そこで出会ったジーンやカレン。
今回、こうして彼女たちが日本へ
来てくれたことで、私自身も自分の
この先の人生を考えさせられた。
残りの人生をどう生きたいのか。
3日間があまりに幸せで、
今はまだ寂しさでいっぱい。
土日に開催された津田公民館・文化祭で
ウクライナ支援ブローチ販売。
おかげさまで、用意していたブローチは
全て完売となりました。
さすが地元、多くの方々が、
「新聞に出ておられましたね~」
と、声かけしていただき。
思わず目が潤んだ出来事が。
小学生中学年くらいの女の子、
始めはブローチの前をジーッと
見つめながらいったんはその場をさり、
次に戻ってきた時、その手には小銭がいっぱい。
500円をかき集めて、ブローチを
買いに戻ってきてくれたのでした。
ご協力いただいた多くの皆さん、
ありがとうございました。
わが家での食事を終えて、ジーン、カレン、
ケンを連れて向かった先は・・・
ジーンたちの来松の前日、
ザ・トゥモロー・ガールズのひとみさんが、
素晴らしい提案をしてくれた。
彼女の所属するザ・トゥモロー・ガールズが
来月の演奏会に向けて、毎週水曜日に
夜に集まって練習をしているとのことで、
誕生日を間近に控えるジーンとケンに
サプライズで演奏をしてくれるとのこと。
なんという素敵な申し出!
サプライズ好きなアメリカ人に
そんな楽しい演出をしてくれるとは。
事前のひとみさんとの打ち合わせで、
練習会場にあるホワイトボードに
彼女たちを迎える言葉を書いてもらい、
選曲は坂本九の言わずと知れた、
世界的にヒットした曲、
「上を向いて歩こう」
を演奏し、その後バースデー・ソング。
夜8時過ぎ。
まだまだ延々とおしゃべりしているカレンを
何とか途中でストップして、行き先を告げずに
車へと3人を誘導し、10分ばかりドライブ。
訝しがる三人を適当にかわして、
会場である、とある小学校の体育館へ。
三人は一体どこへ連れてこられたのかと興味津々。
そして目の前に現れた、楽器を手にした
女性たちの集団に面食らっていた。
すぐに、ホワイトボードに書かれた、
彼らを歓迎する言葉に、これが
サプライズの演奏会であることがわかり、
早速用意されていた椅子に座った。
ひとみさんの合図で「上を向いて歩こう」、
アメリカでは「スキヤキ・ソング」という
名前で知られた曲が流れると、カレンが
驚いて私の方を何度も振り向く。
なんと、カレンは京都から松江までの
長距離バスの中で、上を向いて歩こうを
口づさんできたのだと!!
そして、ひとみさんたちが用意してくれた
3曲目の、アバのダンシング・クィーン。
これも、カレンの妹の一番好きな曲。
このシンクロには驚くばかり。
30年ぶりの再会、その数時間後には
サプライズでミニコンサート。
ジーンは目を潤ませていた。
まさか、こんな素敵な申し出をひとみさんが
申し出てくれるとは思ってもみなかった。
その優しさと気配りに感謝。
そして、ザ・トゥモロー・ガールズの
皆さんにも感謝しかない。
おかげで素晴らしい思い出ができました。
午後2時に大学の授業を終えて、
まっすぐに駅に向かう。
あと30分もすれば、懐かしいジーンたちと再会。
久しぶりに心躍る瞬間。
5分早めにバスが到着し、ついに再会!
3人で固いハグをし合い、しばらくは
バス停でこの再会を喜び合う。
当日を迎えた今でも、この松江で
こうして彼女たちに会えることが信じられない。
ジーンはひと回り小さくなったけれど、
好奇心でいっぱいの顔は昔と変わらない。
再会に大喜びの90歳のジーンが、
バスで降り立ってすぐにスマホで
私と写真を撮ろうと一生懸命に操作している
姿を見ながら娘のカレンは苦笑い。
「ママ、今写真撮らなくてもこの後たくさんとれるから!」
この親子は昔からこんな感じ。
カレンの方が達観して落ち着いていて、
ジーンの方が子どものうように目をキラキラさせて
あわてんぼうで娘にたしなめられる。
駅からホテルへと向かい、彼女たちを
部屋に案内したあとは、2時間後に
迎えにくることを約束し、私は一人、
我が家での夕食会のためのオードブルを
受け取りに行ったり、家の片づけに。
しかし気心の知れた彼女たち、
ジーンの家で間借りをしていたときに、
私の日常の片づけ下手を知られているので、
お客さんを招待する・・・というストレスはない。
2時間後にホテルへ戻り、一緒に我が家へと向かう。
夫も含め、5人で食卓を囲みながら、
懐かしい思い出を語り、大爆笑の連続。
ジーンと私の、サンディエゴからワイナリーで
有名なナパ・バレーへの珍道中や、
カレンと私が酔っ払って公衆電話を
破壊しそうになった話や、
思い出すのは笑い話ばかり。
2時間ほど我が家で食卓を囲み、
その後はホテルへ戻る前に、
とある場所に3人を連れていくことに。
サプライズで、その場所も連れていく目的も
彼女たちには一切告げていない。
感動で思わず涙したサプライズ演出、
この話は次のブログで。