宝塚歌劇団の時代劇なのに、ヒーローは侍でも貴族でもない。心優しき「農家のせがれ」だ。演じる雪組のトップスター彩風咲奈(あやかぜ・さきな)は、「カメレオンのような役者になりたい」と意欲を燃やす。
雪組は、時代劇など日本を舞台にした芝居を得意とし、昔から「日本物の雪組」と呼ばれてきた。トップ就任後2回目の大劇場公演となる彩風は「伝統をくずしてはいけない、と身の引き締まる思いです」。2019年に「壬生(みぶ)義士伝」を上演したとき、前トップの望海風斗(のぞみ・ふうと)が「プレッシャーを感じていた」と話していた気持ちが分かった。
今回の大劇場公演「夢介千両みやげ」は、山手樹一郎の同名小説が原作。江戸末期を舞台に、小田原の庄屋の息子・夢介(彩風)が訪れた土地で起こる騒動を、優しさとお金で解決する。
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「宝塚の男役としては珍しいタイプ」と彩風が言うように、夢介は独特なヒーローだ。のほほんとした人柄で、懐いっぱいにお金を持ち歩く。
演出家の石田昌也からの助言…
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