「カルトマインド」今なお社会に その背景は 江川紹子さんに聞く
安倍晋三元首相の銃撃事件で、容疑者は動機について、母親が多額の献金をした宗教法人「世界平和統一家庭連合」(旧統一教会)への恨みを挙げた。多くの市民を無差別に殺傷し、14人が死亡した地下鉄サリン事件などを起こしたオウム真理教を取材してきたジャーナリストの江川紹子氏(63)は、社会に「カルトマインド」が広がっていると危機感を示す。
――今回の事件をどう受け止めていますか。
「犯行はまったく正当化できませんが、旧統一教会との関係に限って言えば、容疑者は被害者でもある。親の多額の献金で一家は経済的な被害を受けた。被害者意識がどんどん膨らんでゆがみ、事件につながった可能性があります」
「旧統一教会を巡っては、不安をあおることで法外な献金をさせたり、高価な物品を購入させたりして社会問題化してきました。旧統一教会の被害問題に取り組む『全国霊感商法対策弁護士連絡会』も、信者の人権を抑圧し、『献金勧誘行為や信者獲得手法について繰り返し違法である旨の判決が下されている』などと指摘しています。現段階の情報をもとに判断すると『高いカルト性を持つ団体が生んだ悲劇』という側面を無視してはいけない事件だと感じています」
――そもそも江川さんの考える「カルト」とは。
宗教に限らぬカルト性の高い団体
「ネガティブな意味を含むので簡単に使うべき言葉ではありません。憲法も『思想・良心の自由』『信教の自由』を保障しています。その上でカルトを定義するなら『自分たちの信念を絶対視し、それに基づいて人権侵害そのほか、反社会的な行為をする団体で、巧みに他者の心を支配し、しばしばほかの考え方を敵視する』です」
「カルトと指摘をうける団体…
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- 【解説】
「…敵を作って結束する二元論的な考え方『カルトマインド』が社会に広がっている危うさを感じます」 江川紹子氏のこの指摘には頷かざるを得ません。仮想敵を作り、それと戦う者同士が連帯する構図はあちこちにみられます。 二元論的な考え方は
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