まだまだ勝手に関西遺産
家のような形に折られた包み紙でおなじみの粉末の風邪薬「改源」。
うまく口に流し込めず服にこぼしたり、口に入れた瞬間にむせてプロレスラーの毒霧攻撃みたいに噴き出したり。子どもの頃からお世話になっている記者は、そんな厳しい試練を乗り越え、いまや一粒たりとも無駄にせずに服用できる境地に達した。なんならあの独特の生薬の香りをかいだだけで半分治ったような気分にすらなる。
生産元のカイゲンファーマ(大阪市中央区)に聞けば、生薬と洋薬のダブル処方が特徴で、来年になんと発売から100年を迎えるのだそうだ。
製造工場を訪ねてみると
大阪府河内長野市にある製造工場を訪ねてみた。足を踏み入れると、あの香りが全身を包み込んでくる。ああ、うれしい……と心の中で手を合わせる。
記事の後半では、「風邪ひいてまんねん」でおなじみの風神さんが最近イメチェンしたこと、そして、その風神さんとCMで共演した10万60歳のデーモン閣下のコメントも掲載しています。グレゴリ青山さんのイラストも必見です。
全身の消毒を終え、進んだ一室で、包み紙の「薬包紙」に薬を入れて折りたたんでいく、その名も「分包機(ぶんぽうき)」が小気味よい音を奏でながら稼働していた。1分間に108包を生産できるとのことで、四角い薬包紙が見る間にあの家形になっていく。2枚重なっていたり、破れていたりすると、すぐさまはじき出す精巧な機械だが、どこか昭和の味わいを醸し出している。
「60年以上働き続けてくれ…