日米韓首脳会談、各国の思惑交錯 中国の牽制狙う米、日本や韓国は…

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西村圭史 ワシントン=清宮涼 ソウル=稲田清英
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 日米韓首脳は内政も含め様々な課題に直面しており、「歴史的」と位置づける首脳会談には、局面の打開を図ろうとするそれぞれの思惑がある。

 日本は今回の会談を「岸田外交」の節目の一つと位置づける。外務省幹部は「岸田文雄首相が注力してきた米国、韓国それぞれとの二国間関係の強化が3カ国関係の強化に結びつく、歴史的な機会になる」と話す。

 岸田首相はロシアによるウクライナ侵攻を踏まえ、「ウクライナは明日の東アジアかもしれない」と繰り返し訴えてきた。背景には、米中対立がさらに深刻化し、台湾有事になれば日本が巻き込まれかねないとの危機感がある。日米同盟を基軸に、韓国も加わる形で地域の抑止力・対処力を高めることが重要だとの意識は強い。

日本、外交成果アピールで政権浮揚の思惑も

 昨年5月にバイデン米大統領…

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この記事を書いた人
清宮涼
アメリカ総局
専門・関心分野
外交、安全保障、国際政治
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    佐橋亮
    (東京大学東洋文化研究所教授)
    2023年8月18日9時11分 投稿
    【解説】

    日米韓首脳会談はこれまで、他の国際会議が行われる際のサイドイベントのように行われてきました。今回はこのために三カ国のリーダーが集まるという意味で画期的で、過去30年近い歴史の中でも初めてです。キャンプデービッドというアメリカ大統領別荘で行わ

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    藤田直央
    (朝日新聞編集委員=政治、外交、憲法)
    2023年8月18日8時14分 投稿
    【視点】

    この日米韓首脳会談は、今後の北東アジアにおいて安定か緊張のいずれを促すことになるのかという意味では注目です(文脈は不明ですが「歴史的」と言い切る外務省幹部ほど楽観はできません)。しかし岸田政権への浮揚効果はほとんどないでしょう。何のサプライ

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