日本にも40年前からあった「移民」教育 日本語と格闘「絵のよう」
日本に暮らす外国人が昨年300万人を突破し、ますます重要な課題になっているのが日本語教育だ。
先進国の多くには移民に国語を教える公的な制度がある。言葉ができるようになれば、仕事などで活躍するチャンスは広がり、本人はもちろん、国にとってもメリットは大きいからだ。
「移民政策はとらない」としてきた日本では、こうした日本語や日本での暮らし方を移民に教える公的な制度はない。
ただ一つ例外がある。難民向けの「定住支援プログラム」だ。あまり公開されることがないプログラムの現場をこのほど、取材することができた。
定住支援プログラムは、実は40年以上の歴史がある。
日本政府がインドシナ難民の支援を委託する難民事業本部(RHQ)を発足させた1979年にさかのぼる。
一時は品川の施設で千人以上が
かつて東京・品川にあった国際救援センターでは、ベトナム難民ら千人以上がいっせいに生活をしながら、日本で社会生活をする準備をしていた時もあった。
現在は、海外の難民キャンプなどに一時的に避難している難民を政府が連れてくる「第三国定住」難民と、日本で難民認定された人がプログラムの対象になっている。
日本語を学ぶのはまったく初めてという外国人に、最低限必要な日本語能力をどう身につけてもらうか。ここで長年にわたって培った経験は貴重だ。
場所は非公表、オフィスビルの中で
ただ残念ながら、このプログラムは積極的に公開されていない。政治的な理由などで標的にされており、身元を明かせない難民もいるためだ。
訪れた「教室」の場所は公表されていないが、東京都内のオフィスビルの中にある。
「日曜日は何をしますか?」「ゆっくり……します」
グループで日本語を学んでいたのは、第三国定住で日本に迎えられたミャンマー出身の難民たちだ。
「外国人が働くのは難しいと聞いている」
朝から夕方まで半年の間、日本語のほか、銀行口座の作り方や職場での基本的なマナーなどを学ぶ。研修中は生活費も支給される。
「母国ではがんばってもチャ…