兒玉遥さんが明かす躁鬱病 AKB総選挙で「心が壊れていった」
俳優の兒玉遥さん(27)はアイドル時代、心を病みました。AKB48グループの選抜総選挙という「比較」で躁鬱(そううつ)病に。SNSで人と比べられるZ世代を、どう見ているのか。自身の経験とともに語ってもらいました。
「ファンの方が認めてくれたこと、今なら分かる」
――Z世代で「蛙化(かえるか)現象」という言葉が使われています。
「知っています。私よりもちょっと若い世代、高校生から20代前半までがよく口にしています。恋愛対象の細かな言動で、『あっ無理だ』と気持ちが冷める感覚ですよね」
「私も振り返ってみると、蛙化した経験があります。いいなあと思っていた人が、箸の持ち方がきれいじゃなくて。ちょっとしたことなんですけどね」
――Z世代はSNSで理想の自分を振る舞うために、相手にも過度の理想を求める、という精神科医の指摘もあります。
「私はギリギリでZ世代と呼ばれる1996年生まれです。小学5年生の頃からパソコンでインターネットを使っていました。15歳でアイドルグループ『HKT48』に入って、スマホを渡されました。SNSの発展と一緒に、アイドル活動をしていた感じです」
「知らない人とつながるSNSは、芸能人とか限られた人しか発信しないイメージでしたけど、いまはみんなが自由に使っています。スマホの世界ばかり見ていたら、自分と他の人を比べてしまう気持ちは分かります」
「SNSは、いいねとか、フォロワーとか数字がはっきり出ます。それが自分の評価の全てだ、と思ってしまいがちです」
――ご自身はアイドル時代はどう比較と向き合ってきましたか。
「中学時代はあまり比較とか考えずに、楽しく学校生活を送っていました。アイドルになると、どうしてもグループ内で比べられます。そういうときに、人が持っている部分がうらやましく見えて。自分が足りていない部分を欲しい、欲しい、欲しい、と思っていたんです」
「握手会でも、ファンが待ってくれる列は長い方でした。けど、露骨に結果が見えてしまう。自分より列が長い他のメンバーが気になっていました」
「グループでは前列だったので、人気にならなきゃというプレッシャーがありました。やっぱり総選挙もありましたしね」
「もうできない」と、子どものように泣き続けた
――AKB48グループの選抜総選挙では、順調に順位を上げていました。37位、21位、17位、そして2016年には9位に。ただ、その翌年に心の病で休養しました。
「9位に入った瞬間、つらか…