5歳児の心臓移植、4年間待つ家族 提供浸透しない国民性と倫理問題
藤谷和広 編集委員・辻外記子
国内で脳死下の臓器提供がまもなく1千件となる。提供数は増加傾向だが、実際に移植を受けられるのはごく一部だ。特に子どもの心臓移植は、提供者(ドナー)が少ないため、海外での移植を選ぶケースも絶えない。家族は、日に日に増すリスクにおびえながら、移植を待っている。
9月上旬、埼玉医大国際医療センター(埼玉県日高市)で、平田陸翔さん(5)がリハビリに励んでいた。
腹部につながるチューブの先には、自分の体より大きい補助人工心臓。動ける範囲は限られるなか、椅子から立ち上がったり、座ったりを繰り返した。「もうやめる」と言いながら、看護師らに「がんばれ」と声をかけられると、笑顔を見せて続けた。
心臓移植を待ち続けて4年。「まさかこんなに待つとは思わなかった」と母・浩子さん(36)は話す。
1歳3カ月のとき、福島県内…
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