深刻な農作物被害 毎年2千件超 狙われる高単価のモモやブドウ

板倉大地 小寺陽一郎
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 各地で農作物盗の被害が後を絶たない。一時的なコメの不足や高値で「令和のコメ騒動」とも言われた今年は、コメの盗難も相次いだ。

 警察庁によると、農作物が盗まれる窃盗被害は全国で毎年2千件余り発生している。2023年は2154件起き、埼玉県(151件)、愛知県(135件)、静岡県(121件)の順に多かった。

 どんな作物が狙われているのか。

 農水省が18年度、被害が多い23道府県について、自治体への聞き取りなどで被害実態を調査した結果、盗難品目は「もも」「ぶどう」「キャベツ」「はくさい」「りんご」「さくらんぼ」が多かった。

 6割で盗難場所が判明し、その大半が畑や果樹園からで、一部はビニールハウスや作業場、倉庫からも盗まれていた。

 同省によると、比較的小さくて単価が高い果物が狙われやすい傾向がある。対策として戸締まりや防犯カメラ設置のほか、周囲が侵入者と見分けられるよう、車両に農園名が書かれたステッカーを貼ることも有効だという。

 農水省園芸作物課は「生産者が丹精込めて作った農作物が盗まれる被害が全国各地で起きている。意欲を失わせる深刻な事態だ」としている。

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