「京大にミスコン文化を持ち込むな」 卒業生のSNS投稿が議論呼ぶ

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北村有樹子
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 「京大にミスコン文化を持ち込むな」――。学園祭にミスコンがない京都大学の卒業生によるSNSへの投稿が議論を呼んでいる。京大の広報サイトが掲載した在学生のインタビュー記事で、外部のミスコンテストに参加した経歴を紹介したことについて、「ルッキズム」(外見至上主義)を助長しているという観点から批判したところ、賛否の反応が寄せられている。

京大広報サイトの記事が発端

 投稿したのは、京大卒業生で教育学者の西郷南海子さん(36)。京大広報課が編集して10月25日にネット配信した記事「『ミス・ワールド・ジャパン』で2年連続、日本代表に! 女性リーダーの輩出を目指す京大院生の素顔に迫る!」についてX(旧ツイッター)に投稿した。

 記事は、ミス・ワールドを「世界3大ミスコンテストのなかで最も歴史が古く、参加国数が多い」と紹介するところから始まる。その後、イギリスの大学院への留学経験や「グローバルリーダー」についての研究やミスコンの経験、今後のビジョンといった話が進む。

 これに対し、西郷さんは京大広報課が記事でミスコンに触れたことを問題視する。京大の学園祭はミスコンをやらないということが長年の慣例で、「女性を見た目で序列化し、商品化することの問題です」と投稿で指摘。「ミスコンがあれば学祭がもっと盛り上がるのに、という意見があるそうですが、その考えこそが女性を見世物(みせもの)にしているのです」とも記した。大学に抗議の電話もしたという。

記事の後半では、西郷南海子さんに投稿した理由を改めてお聞きしたほか、京大広報課の見解を紹介しています。

 一連の投稿には、5600件…

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    安田峰俊
    (ルポライター)
    2023年11月18日15時41分 投稿
    【視点】

    冒頭から妙なことを書きますが、私は極めてスポーツが苦手です。小中学校時代を通じて、ドッジボールや野球で相手をアウトにしたり、サッカーやバスケでゴールを決めた経験は一度もないですし、学年単位のスポーツテストは男子150人くらいのなかでも常に最

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    若新雄純
    (プロデューサー・慶応大特任准教授)
    2023年11月22日14時28分 投稿
    【視点】

    大学広報の方針に博士を持つ卒業生が異を唱え、広報も安易には記事を取り下げない。お互いに「自由の学風」を体現している気がする。

    …続きを読む