第6回いかにして勝つか デーモン閣下が語る、大相撲の「正々堂々」とは
反則を犯したわけではないのに、勝っても称賛されないなんて……。
2023年9月にあった大相撲秋場所で大関貴景勝は4度目の優勝を果たしましたが、優勝決定戦で見せた立ち合いの「変化」に対して、関係者やファンからは批判の声が続出しました。
場所の最後を飾る大一番で、なぜ大関は変化を選択したのか? 大相撲における「正々堂々」とは? 相撲評論家の肩書を持つアーティストのデーモン閣下に、好角家の目線で語ってもらいました。
大関貴景勝の変化、なぜ批判される? デーモン閣下の見解
決して褒められた相撲ではなかった。優勝決定戦だし、貴景勝の番付は大関だし。そりゃ、変化などを使わない真っ向勝負を多くのファンは望んでいた。吾輩(わがはい)だってそうだ。
ただ、(当時)前頭15枚目の21歳、熱海富士に優勝をさらわれるわけにはいかない。大関としての責任感、プレッシャーもあっただろう。おそらく、場所中にどこか下半身を痛めていたのだと思う。何が何でも勝たなければいけない貴景勝の置かれた立場を鑑みると、立ち合いで変化をしても、しょうがないのかな……、と思いを馳(は)せる。
変化に対するファンの見方は、時代を経てもそんなに変わっていないと思う。特に、大一番で番付上位の力士が変化することに対する不満は、昔も今も同じだ。その是非を巡って、それぞれの思いを言い合うのも大相撲の楽しみ方の一つだろう。
いかにして勝つかは、面白い…
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