「スポークスパーソン不在」 常見陽平さんが考える札幌五輪落選
札幌市が招致を表明してから9年。冬季五輪・パラリンピックの2030年、34年大会はともに落選となった。「まちづくりの起爆剤」「欧米観光客の呼び水」といったスローガンは幻に。札幌に愛着のある有識者に、今回の経験から学ぶべき教訓を聞いた。
3回シリーズの1回目は朝日新聞デジタルのコメントプラスでもおなじみ、札幌市出身の常見陽平さんです。
昨年以降、東京五輪の不祥事が明るみに出ました。批判されるべき点は多々ありますが、洪水のような報道で冷静な議論ができなくなり、「オリパラは賛成しちゃ駄目なんだ」という空気を社会に醸成してしまったことは残念でした。
著名な冬のスポーツ選手が発言しにくくなり、人々の共感を呼ぶメッセージを発することができなかったからです。東京五輪招致でプレゼンした谷真海さんのように、心に響く言葉をもつスポークスパーソンが、札幌にはいなかった。札幌五輪に期待しているアスリートも、厳しい世論に遠慮して気持ちよく語れなかったのではないでしょうか。
「何」を言うかはもちろん大事ですが、「誰」が言うかはもっと大事です。羽生結弦さんが「札幌でオリパラを」と発言したら、社会の空気はだいぶ変わったと思います。
賄賂や不正まみれの五輪はも…
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札幌オリンピック招致
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