第2回ぜんそく持ちの少年が遊びで養った空中感覚 そして、新技は生まれた

有料記事Technique

内田快
[PR]

 塚原光男が体操界に衝撃を与えたのは1972年だった。

 鉄棒で披露した「ムーンサルト」(後方抱え込み2回宙返り1回ひねり)。2回の宙返りに、横回転のひねりを初めて組み合わせた技だった。その難度の高さから、取り組もうという発想をほかの選手は持っていなかった。

 あれから半世紀余り。技の進化の最先端を走る日本選手がいる。

 2023年3月、ワールドカップ・ドーハ大会のゆかで、南一輝(23)=エムズスポーツクラブ=が「後方抱え込み2回宙返り3回半ひねり」を決めた。7月にH難度の新技「ミナミ」として、国際体操連盟に正式に認められた。

 ミナミの練習を始めたのは大学2年だった19年の9月から。「3回ひねれるようになって、じゃあもう半分ひねれるかなって好奇心で。名前がつくまでは長かったですね」

 成功のコツは「1と2と0・…

この記事は有料記事です。残り911文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
内田快
スポーツ部
専門・関心分野
テニス、スポーツと社会