「What ifを想像できる」 宇宙工学者が語る、ガンダムの魅力
「機動戦士ガンダム」の生みの親でもある富野由悠季さんが描く作品から私たちは何を受け取るべきなのか。衛星開発などに携わり、富野さんと対談経験もある東京大学の中須賀真一教授(宇宙工学)は、作品を通じて科学のあり方を考えることができると指摘する。
富野さんの作品では未来の科学技術がたくさん登場する。例えば、ガンダムシリーズで登場する宇宙での巨大な居住空間「スペースコロニー」は、米プリンストン大のオニール教授が考案した理論だが、「忠実なイメージをつくった」とみる。また、ガンダムなどが宇宙から地球に降下する際に、空気との摩擦で燃える描写など、「宇宙工学のベーシックな考え方にのっとっていた」と話す。
同時期の1977年から公開された「スター・ウォーズ」シリーズなどで多用された、宇宙空間でのワープシーンがガンダムでは登場しないことなどからも、「できるだけ現実性の高い技術にとどめて登場させている印象」だという。
一方、富野さんの作品の魅力は、科学技術だけでない、物語の深さだという。
ガンダムでは、宇宙に進出し…
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