批判噴出の「恥ずかしい鍋」 意外性がヒット、周防大島の名物に成長
三沢敦
ぐつぐつ煮える海鮮鍋に小ぶりのミカンがぷかぷか浮かぶ。「わー」。土鍋のふたを開けた瞬間、家族連れから歓声があがった。
瀬戸内海に浮かぶ周防大島(山口県周防大島町)。温泉食事施設「竜崎温泉ちどり」でこの季節、よく注文が入るのが名物の「みかん鍋」だ。
「インパクトのある見た目とは反対に、柑橘(かんきつ)のさわやかな風味が魚介とよく合う。予想を裏切るおいしさ」。山口県周南市から訪れた男性(50)が目を丸くした。以前から興味はあったが、「わざわざ遠くからきて、がっかりしたくない」と二の足を踏んでいたという。
県内生産の約8割を占める島の温州ミカンをPRしようと、2006年に地元の飲食店主らが考案した「新郷土料理」。10~3月限定で、現在は島内の8店で味わえる。
作り方には守るべき「定義」があるという。
①「鍋奉行御用達」の焼きミ…
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