第2回離婚後のがん再発、よぎった終わり「70歳生きたから、もういいや」

有料記事貧困率4割~高齢単身女性のいま

根岸拓朗
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 「すぐに手術をしないといけません」

 東京・築地の国立がん研究センター中央病院。谷川厚子さん(75)は、子宮頸(けい)がんの再発を医師から告げられた。

 「小指の先ほど」の大きさで、すぐに取り除かなければいけないという。

 医師は厳しい口調で即決を求めてきたが、谷川さんは「考えます」としか返せなかった。

 お金がなかった。

 北海道恵庭市で、年金とそば屋のパートの仕事で1人で生活してきた。仕事中、下着にわずかな出血があったのにトイレで気づいたのが、がん治療のきっかけだった。

 7回の手術を繰り返し、払った治療費は150万円以上。がん保険には入っておらず、貯金はほぼ底をついていた。知人に誘われて東京にある女性支援団体のもとに身を寄せて、新たな生活を何とかつくりあげようと動き出した矢先、再発がわかった。

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65歳以上の一人暮らしの女性の4割が「相対的貧困」の状態にあることがわかりました。未婚、離婚、死別。その人生は様々ですが、彼女たちに何が起きているのでしょうか。真相に迫ります。

 「70歳まで生きたから、も…

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この記事を書いた人
根岸拓朗
東京社会部
専門・関心分野
司法、人権、ジェンダー
Think Gender

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男女格差が主要先進国で最下位の日本。この社会で生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。性別に関係なく平等に機会があり、だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダー〈社会的・文化的に作られた性差〉について、一緒に考えませんか。[もっと見る]