将棋と麻雀、二刀流のプロが語る 「数学的な正しさ」と強さの関係
将棋と麻雀(マージャン)、その両方でプロとして活躍する鈴木大介さん。どちらの世界にも近年、確率・統計など「数学的な正しさ」に基づいた戦い方の波が押し寄せている。だが「昭和の麻雀」を好む鈴木さんは言う、計算や数学的合理性だけでは勝てないのが勝負だと。競技性の違いやAI(人工知能)との相性を、どう見極めながら「二刀流」に挑んでいるのか。
すずき・だいすけ 1974年生まれ。94年棋士デビュー、99年度NHK杯優勝、2017年九段。17~23年に日本将棋連盟常務理事。アマ強豪だった麻雀でも23年に資格を得てプロになり「二刀流」に。「Mリーグ」でも活躍する。囲碁もアマ三段。
ここ20年ほど、麻雀(マージャン)を、数学的に頭で考えて打つ人が増えました。狙う牌(はい)が出る確率や、統計的な正しさなど、効率やセオリーを重視した打ち方は「デジタル麻雀」とも呼ばれます。
より数学的になっているのが、将棋です。麻雀は互いの手の内が見えない「不完全情報ゲーム」ですが、将棋は全情報がオープンな「完全情報ゲーム」。なので、どの手を指せば期待勝率が高くなるかのAI計算が麻雀より進化しており、一手ごとに評価値が出る。もはや、AI研究なしで人間の力だけで勝負するのはほぼ無理になっています。
麻雀も将棋も、そうした「数…
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