第1回「親に愛されたい」気持ち、必死に捨てた 毒親と闘う39歳弁護士

有料記事さらば毒親

編集委員・岡崎明子
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 吉田美希さん(39)は、「毒親」問題を扱う数少ない弁護士だ。

 吉田さん自身、子どもを支配する親に苦しめられてきた。

 3歳ごろの原体験がある。家の中で母の後ろをついて歩いていると、突然、「金魚のふんみたいについてこないで!」と怒られた。父に「遊んで」と言うと、忙しかったのか「邪魔だ」とベランダに締め出された。

 小学生のとき、一輪車の練習中に転ぶと、親は娘よりも、ぶつかった柱に傷がつかなかったどうかを心配した。

 いま思えば、2人とも「自分がどうしたいか」が優先で、「子どもがどう思うか」という視点が絶対的に欠けていた。

 「暗闇が怖い」と泣くと「なんて弱虫なんだ」と馬鹿にされ、うれしいことがあって喜んでいると「調子に乗るんじゃない」とたしなめられた。感情を表すだけで怒られるため、いつしか自分の感情さえわからなくなった。

 両親は教育熱心で「文系なら弁護士、理系なら医師になれ」と言われながら育った。それでも時には、反抗するときもあった。中学3年生になるまでは――。

 学校でいじめに遭っていることを、勇気をふりしぼって相談した。だが、返ってきた言葉に耳を疑った。

 「お前のせいだ」

 その瞬間、心の中のすべてが崩壊した気がした。何を言っても、この人たちにはわかってもらえないんだ。以来、親から理不尽なことを言われても、言い返さなくなった。

削られる自己肯定感、心と体が悲鳴を上げた

 「お前は価値がない」と否定…

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この記事を書いた人
岡崎明子
編集委員|セグメント編集長
専門・関心分野
医療、生きづらさ、ジェンダー、働き方
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    増田ユリヤ
    (ジャーナリスト)
    2024年5月29日18時6分 投稿
    【視点】

    自分の両親から、これほどまでの虐待を受けても、なお親の愛情を求めてしまうのが子どもなのではないか。そんな思いを強くしながら、記事を拝読しました。吉田さんはどれほど苦しんでこられたのか。想像を絶する日々だったことでしょう。しかも、弁護士として

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    島沢優子
    (ジャーナリスト・チームコンサルタント)
    2024年5月29日19時34分 投稿
    【視点】

    小児脳科学者で医師でもある成田奈緒子さんの著書『高学歴親という病』を企画し構成も担当しました。そのなかに実母の亡霊に苦しめられる高学歴女性の話が書かれています。 「いつまで寝てるの? 早く起きなさい。あなた、今日も学校に行かないの?」  母

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