「治らないの?」手にした夢、まさかのどん底 線維筋痛症と生きる私

有料記事患者を生きる

鈴木彩子
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 「立てない……」

 2年前の8月の、暑い日だった。

 神奈川県の女性(32)は、朝、全身の激しい痛みと倦怠(けんたい)感に襲われていた。何人もの大人に体を押さえつけられているような感覚に加え、足が脱力して、床に着くことができない。同時に、もうれつな吐き気が襲ってきて、身動きが取れなかった。

 臨床心理士として、2カ所の職場を掛け持ちし、子どもたちのカウンセリングなどで多忙を極めていた。昼食をとれないほど忙しく、週末も電話対応に追われる日々。その上、前日に受けた婦人科検診のあと、不正出血が続いていた。不安が募り「病院に行かなきゃ……」と思っていた矢先だった。

 女性には、線維筋痛症の持病があった。痛みや倦怠感とは、20年以上つきあってきた。「少し休めば、回復できるかな」

 その日はやむなく仕事を休んだ。それから1年以上も休むことになるとは、その時は思っていなかった。

小3、痛みはじめた腰「舞台稽古の頑張りすぎ?」

 最初に体の不調を自覚したの…

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この記事を書いた人
鈴木彩子
くらし報道部
専門・関心分野
医療・健康、脳とこころ、アレルギー