パリ五輪卓球・早田ひな 指導者がケンケンさせて見抜いたサウスポー

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石垣明真
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 カコン、コン、コン――。子どもたちがリズム良くピンポン球を打つ音が響く。北九州八幡西区にある卓球クラブ「石田卓球N+(エヌプラス)」。ここで育った選手が今夏のパリ五輪に日本代表として出場する。日本生命所属の早田ひな選手(23)だ。

 彼女の才能を磨いたのが、クラブを運営する石田真行さん(71)と千栄子さん(71)夫妻。ともに福岡大学卓球部の出身で、実業団でもプレー。「世界に通用する選手を育てたい」と約40年前にクラブを設立した。やがて北京、ロンドン五輪代表の岸川聖也さん、混合ダブルスで全日本選手権を制した田添健汰さんらが輩出する名門に。練習場は助産院だった建物を改築しており、かつて赤ちゃんが生まれた場所で「今は卓球選手が誕生している」と2人は笑う。

 早田選手が通い始めたのは4歳ごろ。当初は右手でラケットを握っていたが、脇が閉じすぎたり、開きすぎたりとフォームが安定しない。

 千栄子さんは「ケンケンをしてみて」と、どちらの足でやるかは言わずに伝えた。すると早田選手は右足で跳び、「この子は左利きの選手だ」と直感したという。幼い子にそう指示すると、利き手とは逆の足で跳ぶことが多いためだ。彼女の父も左利きとの情報も得て、左手に持ちかえさせた。後に世界で指折りとなるサウスポーはこうして生まれた。

 早田選手は小学校低学年から…

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