プールに小さじ20分の1杯でもアウト うっかりドーピングに注意を
華やかなオリンピック(五輪)の舞台の闇がドーピングだ。意図的に薬を使って体を強くしようとする行為以外にも、実は、禁止物質が含まれていると知らずに薬やサプリメントを服用し、ドーピング違反になる「うっかりドーピング」も少なくない。これまでの努力が報われない事態を招かないようにと、薬剤の専門家たちが正しい知識の普及に努めている。
「ドーピング検査で違反とされた選手が飲んだサプリ。含まれていた禁止物質はどれくらいの割合だったでしょうか」
東京都板橋区の区立志村第六小学校で7月3日にあったアンチドーピングを学ぶ教室で、学校薬剤師の宮田博美さん(54)はサッカーや新体操を学ぶ小学6年生約110人にこう問いかけた。
答えは「学校のプールの水中に小さじ20分の1杯分でした」。実際に微量の禁止物質で違反に問われた事例を聞いた子どもたちからは「少しでも反応しちゃうんだ」などの声があった。
風邪薬や貼り薬、食肉にも禁止物質が含まれるケースを紹介。宮田さんは、「大丈夫だろう。なんてごまかしはききません」と服用や食事での注意を呼びかけた。
日本でも違反ゼロの年はない
「ドーピングにより、健康のほか感動や努力といったスポーツの価値を損ねないよう子どもの時期から知識を身につけてほしい」
こう話す宮田さんは公認スポーツファーマシスト(SP)でもある。
SPは、薬やサプリに含まれ…
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