五輪ボクシング女子、出場資格巡り世界で議論 SNSに誤解や中傷も
パリ・オリンピック(五輪)のボクシング女子で、選手の出場資格を巡る議論が起きている。性に関する、詳細の分からない検査で世界選手権を「失格」とされた2選手が、今大会に参加しているためだ。国際オリンピック委員会(IOC)は「トランスジェンダーの問題ではない」と説明するが、そう決めつけての激しい誹謗(ひぼう)中傷も起きている。
1日に行われた女子66キロ級の試合だった。アルジェリアのイマネ・ヘリフ(25)のパンチを受けたイタリアの選手が、開始46秒で棄権した。
ヘリフは2023年に開かれた女子の世界選手権で、性に関する検査の結果「失格」とされた経緯がある。ヘリフと同じ理由で失格になった台湾の林郁婷(リンユーティン)(28)も今大会の57キロ級に出場している。
SNS上ではヘリフらを、生まれた時の性別と異なる性別で生きるトランスジェンダーと決めつけ、非難する投稿が相次いだ。米国のトランプ前大統領は「女子スポーツから男性を排除する!」と投稿。人気小説「ハリー・ポッター」シリーズの作家J・K・ローリング氏はヘリフの写真と共に「女性を殴りつけ希望を打ち砕いた男性の薄笑い」と書き込んだ。
なぜ、このような混乱が起きたのか。
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