外国人観光客増えても「繁閑ギャップ」 秋を前に「京都美食めぐり」
一年中、多くの外国人観光客でにぎわう京都。しかし、飲食業界では繁忙期と閑散期の「繁閑ギャップ」が激しいという。この差を埋めようと、秋の観光シーズン到来前の9~10月の2カ月間、和洋中の100店舗が特別メニューを特別価格で提供する「京都美食めぐり2024秋」が開かれる。
飲食業コンサルティングの「どこ・いこ」(京都市中京区)が主催し、タクシー大手エムケイ(京都市南区)が共催する。2022年春、飲食業界の閑散期対策として始まり、今回が6回目。これまで約4万人が店を訪れ、3億2千万円余りを売り上げたという。
「世界中から観光客が来ていても、思ったほどの経済効果が出ていない」。「どこ・いこ」の西村康浩社長はこう指摘する。「例えば、錦市場。一見するとにぎわっているが、見て回るだけで買わない外国人が多い。その一方で、混雑を嫌って地元の人の客足が遠ざかってしまっている」
それでも期待を寄せているのが、日本の「食」を体験したいという外国人が増えていることだ。西村さんは「日本人、外国人双方の、ちょっとお金を出してでも、ええもんを食べたいという欲求を満たしたい。世界中からツアーを組んでもらえるような企画に育てていけたら」と願う。
参加店舗の一つ、京料理「木乃婦(きのぶ)」(京都市下京区)の3代目主人、高橋拓児さんも「外国人観光客の増加は大歓迎。料理人が切磋琢磨(せっさたくま)して、世界の人から選ばれるような付加価値をつけていきたい」と意気込む。
今回は、季節の食材を使った自慢のコースを2千~1万9千円で提供する特別コースや2万円以上のラグジュアリーコースを用意する。外国人観光客を意識した10万円以上のエクスクルーシブコースも設ける。大半は京都市の店舗だが、京丹後市、宮津市、福知山市の4店舗も参加する。8千人の集客で8千万円の売り上げが目標だ。詳細は公式サイト(https://autumn.bishoku.kyoto/)。
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